熊本県産材使用した「パネル工法」
災害公営住宅向けにモデル
工期短縮・職人不足で期待高まる

日本住宅パネル工業協同組合
西日本支所熊本営業所 平位善友・熊本営業所長


 熊本地震による被災者向けの仮設住宅整備がほぼ完了し、今後は、最長2年とされる仮設入居期間中の災害公営住宅整備へと次のステップに進む。復旧復興工事の集中発注による技能労働者不足と工期延長が懸念される中、日本住宅パネル工業協同組合(パネ協)のパネル工法がクローズアップされてきた。
 昭和37年に創立したパネ協は、集合住宅向けパネル工法(内装システム)の供給を続け、住宅不足時代の大量供給を経験してノウハウを蓄積した。熊本県内では県営山の上団地や県営健軍団地などの内装工事1万2000戸に納入、阪神・淡路大震災と東日本大震災時の復興住宅建設の際には安定的に供給し、各約7000戸を手がけた。
 パネル工法は、公共住宅建設工事共通仕様書に記されている内装プレハブ工法の一つ。杉などの地場産木材、またはそれらのLVL(単板積層材)などを芯材とし、合板または窯業建材の表面材と接着した構成を基本構造としている。工場生産のため高品質で安定した製品供給が可能で、職人の技術によるバラツキが少なく作業効率化と工期短縮が図れる。内装工事を在来木軸工法と比べ施工費で20〜30%程度、トータルで10〜15%程度のコストダウンが可能だという。
 パネ協西日本支所熊本営業所は11月1日、県庁通り(中央区神水1丁目)のフォレストビル8階に災害公営住宅のモデルルームを設置した。標準的な2DKタイプをイメージし、床下地や化粧床パネル、間仕切りパネル、表装壁パネルなど施工途中の状況も一目でわかる。造作材などには杉など全て県産材を使用し、山鹿の組合工場で加工した。
 平位善友所長は「全国各地に工場があり安定供給できる。発注者や設計者、施工者にモデル住宅を見て検討頂き、パネル工法による災害公営住宅の早期供用、熊本の早期復興に繋げてほしい」と話す。
2016.11.14掲載

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