道路付属物を長寿命化
熊本と大分で試験施工、関係者に高い評価

道路付属物補修・補強工 「SCFR工法」

日本乾溜工業 営業担当・内村勇太氏


 老朽化した道路付属物(照明柱・標識柱・信号柱)を補修・補強する「SCFR工法」が注目を浴びている。SCFR工法協会(神戸市)が開発したもので、日本乾溜工業(本社・福岡市、沢井博美社長)が九州の代理店として昨年、熊本県(八代市鏡町)と大分県で試験施工を行い、官公庁や工事関係者等から高い評価を得た。平成26年にはNETIS(CB―140009―A)に登録されている。
 社会基盤施設の老朽化対策が問題となっている中、道路付属物や公園の遊具等は、腐食や破損といった経年劣化が発生し、特に長年使用された製品の路面境界部(地際部)や土中埋設部は、雨水や犬の尿、降雪地域における融雪剤等の影響により損傷や断面欠損に伴う強度不足が生じている。実際、滋賀県では、27年から過去5年間に道路標識が18本倒れ、このうち5本において子どもがケガをしている。
 このような問題を解決するため、SCFR工法が開発され、補修・補強することで、軽い、強い、錆びない、腐らないなどの効果のある道路付属物となることが実現できた。
 補修・補強材には、近年注目されている「炭素繊維」を活用。腐食部分にケレン処理を行い、その上で工場で樹脂を含浸・硬化させ、すだれ状に加工したSCFRシートを専用接着剤で構造物に貼り付け、さらにその表面に仕上げ塗装を施す。
 施工は@下地処理(ケレン等)〜プライマー塗布A接着剤によるシート貼り付けB上塗り塗装の計3工程(3日間)で行う。これにより、防食(腐食速度低減)、耐力増加(余裕板厚増加)、品質安定(施工不良低減)―の三つの効果で長寿命化が図られる。(SCFR工法協会HPに詳細)。
 同社営業担当の内村勇太氏は「今後、この工法を官公庁や道路付属物の業者にPRし、本格的な事業展開を図っていきたい」と話している。
2016.2.22掲載

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