インターロッキングブロック調舗装『インプリント工法』
車歩道、交差点、駐車場など幅広く施工
高い耐久性で15年間メンテ要らず
山王(株) 金子昌明取締役開発部次長
インターロッキングブロック舗装に代わる新しい舗装技術が、このほど福岡県久留米市にある民間企業の駐車場に取り入れられた。『インプリント』と呼ぶこの工法は、ブロックを一つ一つ並べて施工するのではなく、敷き詰めた舗装材料にブロック模様を刻印し、インターロッキングブロック調の舗装面に仕上げていくもの。熊本市の山王鰍ェ全国に先駆け導入した。
新工法は、英国で考案され、米国の企業が販売権を有している。従来のインターロッキングブロック舗装は、個々のブロック体で施工されているため、車両が乗り入れる場所などでは長年使用するとブロックが浮くなどの問題点があった。「それならば逆転の発想で、舗装面をインターロッキングブロック調に装飾して、見た目を変えず、耐久性、安全性も高めようというのがこの工法だ」(山王)。
作業は、コンパウンドベースの溶着材や御影石の骨材、顔料などを溶解釜で溶かして施工面に流し込んだ後、特殊な金型でブロック調に刻印するだけの手順。下地処理が要らず、約160平方bを1日当たりおよそ4人(従来は10人程度)で施工でき、人件費などのコスト縮減が可能となる。
最大のメリットは高い耐久性。車道にも使用でき、英国では、1日の交通量5万台の路線で15年間ノーメンテナンスという実績がある。また、路面色も自在で、塗料を溶解する時点で練り込むことからカラー舗装に比べ色あせもしにくい。
山王では、すでに米国の企業と販売契約を結んでおり、近く本格展開する計画。また今後、高速道路のパーキングエリアでの試験施工も決まっており、山王の金子昌明次長は「車歩道をはじめ、交差点、駐車場など幅広く採用できる。県内に限らず、全国に普及していきたい」と意気込む。 |