地中熱を利用した省エネ工法を展開
低炭素社会に貢献「ジオパワーシステム」

環境志向の高い顧客獲得へ

(株)建吉組 執行役員営業部長 金子佐年氏

 エコアクション事業に取り組む県内大手の総合建設業、褐嚥g組(笹原健嗣社長)は、今年度から地中熱を利用した建物換気システム「ジオパワーシステム」を導入し、省エネ・健康建築事業を展開する。同社の金子佐年執行役員・営業部長は「環境志向の高い顧客を獲得したい」とし、初年度は一般住宅をはじめ、保育園や高齢者施設、工場など10棟の受注を目指す。
 同システムは、山口県美祢市の潟Wオパワーシステムが開発。地下5bに埋設したパイプから、15〜16度というほぼ一定温度に保たれている地下の空気を室内に送り出す仕組み。夏は涼しく、冬は温かい空気に熱交換でき、地中熱が作り出す住空間は、冷暖房機器による過度な温度環境となることがないため、冷房病などのいわゆる現代病を予防する。
 また、これまで世界中で活用されてきた地下50bや100bまで掘る工法に比べ、深度の浅い地中熱を利用することから、工事の簡素化に加え、施工費が安価。年間冷暖房費も戸建1棟(40坪)あたり約50%削減、CO2は約1dの削減を実現したという。
 同システムは現在、全国で一般住宅約800世帯、大型施設は70棟以上に導入が進んでいる。低炭素社会に貢献できる工法とし、平成16年の環境大臣賞をはじめ、エコプロダクツ大賞特別賞などの数々の賞も受賞。金子部長は「特に寒暖の差が激しい熊本地方では最適な工法」と話しており、今後、地中熱エネルギーが注目を集めそうだ。
 システムの導入は新築、リフォームとも可能。工事費は新築住宅1棟あたり200万〜250万円。建吉組では事業展開にあたり、導入を検討する一般顧客を対象とした説明会を、6月19日(金)に県民交流会館パレアで開催する。
2009.05.18掲載

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