型枠不要のコンクリート舗装
スリップフォーム工法
新佐敷トンネル舗装で省力化・工期短縮実現


国土交通省 八代河川国道事務所

 南九州西回り自動車道の熊本3号新佐敷トンネル舗装1期工事で型枠不要のコンクリート舗装「スリップフォーム工法」が採用され、このほど施工を終えた。スピーディーで高精度な仕上がりは、コストダウン・省力化・工期短縮を実現するコンクリート舗装として、また一つ大きな実績を残した。
 「これまで花岡トンネル、乙千屋トンネル、赤松トンネル―などに採用しており、経過も良好」と話すのは、工法に厚い信頼を寄せる国土交通省八代河川国道事務所工務第二課の竹下卓宏課長。実際、一部供用開始前のこの時期だからこそ、工期短縮につながる工法への期待は高まるばかり。今後、舗装2期工事でも、同じ工法で施工を行う予定だ。
 その仕組みは、自走式施工機械により、コンクリートを所定の形状に締め固め・成型しながら、連続的にコンクリート構造物を構築する手際の良さ。曲げ強度は通常と変わらない4・5(N/ン)だが、粘土状に堅く配合しているため、端部のエッジスランプが生じにくい、施工性がよく、仕上げやすい―などのメリットがあるという。
 一般的にこれまでコンクリート舗装で採用されてきた工法は、セットフォーム工法と呼ばれる鋼製型枠を設置してのやり方。この工法だと型枠を設置するため作業人員が多く必要なことや工期も長くなるため、スケールメリットが活かせないのが難点となっている。
 施工を担当する潟KイアートT・Kの富永和彦監理技術者は「最初、難しいのはコンクリートの配合。何回も試験練りを加えてベストな状態で打設している」と話す。上下線一括施工も可能だが、ここではセパレート方式を採用。コンクリートで強度を保ちながら、走行性に配慮したアスファルト舗装で仕上げる。
 コンクリート舗装のほか、主な適用構造物には、円形水路、ロールドガッタ、L型街渠、縁石等のコンクリート構造物などがある。国土交通省をはじめ高速道路梶A都市再生機構などの各発注機関で、施工実績があり、優位性が上手くアピール出来れば、土木事業になくてはならない工法の一つとなるだろう。 
2009.01.29掲載

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