水害対策用吸水性緊急土のう
「ドノウレンジャー」
人と地球に優しく、労力や作業時間も削減

(株)河内スティール 原口 清社長

(株)河内スティール・原口 清社長 人と地球にやさしいものを―という想いでつくられた水害対策用吸水性緊急土のう「ドノウレンジャー」。渇ヘ内スティール(原口清社長、熊本市河内町)が開発した熊本発の商品が、販売から2年余りで全国各地へと広がっている。
 開発をはじめたのは平成16年。以前から地球温暖化に伴う水害の増加を危惧していた原口社長は、緊急時に最も必要とされる土のうに着目した。建設業に従事し、町の消防団にも参加していた経験から、「滑りやすく、運搬や設置が迅速にできない従来の土のうを、機能性の高いものに出来ないか…」。
 ドノウレンジャーは、県産ヒノキの間伐材(かんなくず)を主原料に、緑川の粗い砂や炭、でんぷんなどの天然素材を混ぜて麻袋に詰めた製品。61×41×3a、4`と非常にコンパクトで、吸水後約4分で20`程度に膨れ上がる。
 保管場所の省スペース化や緊急災害時の作業時間短縮、労力の軽減化を図ることができ、使用後は有機肥料としての再利用も可能だ。
 これまでに納入したのは、全国で39自治体、民間21団体。民間は鉄道、段ボール工場、コンビニ、ホテル、銀行と業種もさまざま。都市型水害が頻発する昨今、手軽に水の浸入を防ぎ自社の被害を食い止められるのが決め手となっている。
 販売実績だけでなく、今年になって、土のう製品で全国初の消防防災用設備機器や、熊本県の新事業支援調達制度に認定。東久邇宮記念賞、間伐・間伐材利用コンクール受賞―といった高い評価も続いている。時代の要請に応えた「ドノウレンジャー」がナショナルブランドとなる日も近そうだ。
2007.11.15掲載

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