三和コンクリート工業(株) 池田英孝 課長
ダブルツーアール工法でコスト縮減
ダブルツーアール(W2R)工法協会九州・沖縄支部(事務局・福岡県那珂川町 日本興業鞄焉jで活動する三和コンクリート工業梶i本社・天草市)が今年度から施工を手がけることになり、順調な滑り出しを見せている。同社営業部の池田英孝課長は、施工責任者として品質管理に最善を尽くす。
〈この工法は、既設側溝のリニューアルのために2004年に開発。以来、国土交通省をはじめ全国の発注機関で採用されてきた。2005年には国土交通書の新技術情報提供システム(NETIS)に登録され、施工性やコスト縮減に優れた実績を残している〉
特長は何といっても施工性だろう。従来工法はハツリ時の騒音が酷く、周辺住民からのクレームが悩みのタネとなっていた。しかも粉塵が出るため施工期間中の住民のストレスを考えれば気の毒なことだと察する。深夜でも施工できるダブルツーアールはこれまでの歩道改良の概念を覆(くつがえ)す画期的な工法といえる。
〈歩道のバリアフリー化は現在、全国各地で展開中。国土交通省の『道路の移動円滑化ガイドライン』では、歩道のセミフラットが基本となっている。県内でも熊本県が主要施策として進めるユニバーサルデザインに則って市街地において実施されている〉
今の現場は熊本土木が発注した「熊本空港線単県側溝整備工事」。熊本市画図町の住宅密集地である上、交通量も多い個所だ。樺|原産業(熊本市)の下請として施工しており、従来は側溝蓋などの製品を納めるだけで、施工まではやっていなかったが、工法普及と新事業の展開という形で進出した。工期が6分の1に短縮されコスト縮減にもつながるのも本工法の特長なので、住宅密集地に最適だ。
〈現場代理人である樺|原産業の井上誠主任は本工法のメリットを肌で感じている一人かもしれない。前回の現場に続き、本工法での施工を目の当たりにし、太鼓判を押す〉
発注機関もこの工法を高く評価しており、設計にも盛り込まれていた。近年は、総合評価といった施工にも創意・工夫が求められており、新工法を取り入れることは重要。今回は都市部の施工なので、省力化、工期短縮につながる施工で非常に助かっている。
〈工事量の減少で狼狽(うろた)える同業者を横目に着実に新境地を開拓する池田課長。工法の更なる普及に目を輝かせる〉
初期投資も数百万円に上り、技術陣の養成も行った。自社内に研修用の施設を設けるなど、施工技術の向上、品質管理には細心の注意をはらっている。着実な施工で信頼を築いていきたい。
【メモ】
道路の移動円滑化ガイドライン 交通バリアフリー法を受け、国土交通省が平成14年に制定。車道から歩道の高さを標準で5aと規定しており、現況の施設では歩道の側溝を切り下げる工事が必要となっている。 |