熊本県建設業協会芦北支部青年部 平生 勝治 部長
ネットワーク構築で犯罪防止へ
地域の建設業は、公共事業の担い手として活躍する一方で、災害時の緊急支援、清掃ボランティアなど、様々な社会貢献活動に取り組んでいる。しかし、その活動は正当に評価されているかと言うと、必ずしも正しく理解されていない側面がある。
こうした中、全国建設業協会は、建設業の社会貢献活動を顕彰し、広く社会にアピールする活動を展開。この建設業社会貢献活動功労者表彰に熊本県建設業協会芦北支部の「こどもSOS活動」がこのほど選ばれた。活動の中核を担う同支部青年部の平生勝治部会長(46)に話を聞いた。
〈芦北管内に点在する事業所、工事現場を防犯活動の拠点として活用し、子ども達が巻き込まれる事件・事故の抑止につなげることを目的とした「こどもSOS活動」。平成19年4月に管内の自治体や警察と調印式を終え、本格始動した。地域に貢献できる先駆的な活動ということで、協会員の苦労も一言では語り尽くせない〉
調印式の下準備は、青年部会が行った。関係機関や小中校長会との打合せに始まり、会員への対応マニュアル説明・勉強会、調印式の準備・打合せ―など息つく暇もなく取り組んだ。活動をPRする幟旗、ステッカーのデザインも自分たちで考えた。目立つことを主眼に作成したが、熊本県警のシンボルマスコット「ゆっぴー」をアレンジでき非常に満足している。
〈活動の影響だろう。管内では最近、子どもを巻き込む事件・事故はもちろん大きな犯罪も起きていない。こうした防犯活動は、地元住民にも受け入れられ、自治体が組織する防犯組織の委員にも名を連ねる〉
調印式の直後に芦北町生活安全安心推進協議会員の委嘱を受けた。町議会議長が委員長を務める組織で、町の各種団体長などで構成している。住民との相互協力で、芦北支部の活動がより、強固なものになることは喜ばしい。ただ、子どもたちから頼れるような環境作りを行っていくことが重要。小・中学校に出向き、子どもたちに活動を説明することも必要だと思っている。
〈平生部会長は、SOS活動が犯罪の抑止力になることを強調する。社会貢献活動を通じた自分たちの成長という前向きな姿勢が力の源になっている〉
抑止力を高めていくためには、横のつながりといったネットワークを構築することが必要だ。情報を共有することで、各組織のちぐはぐな活動が阻止できる。そのためには自分たちが地域を守るという気持ちが大事。自らが襟を正すことで波及効果につなげていきたい。
芦北警察署生活安全係長・森田俊二警部補の話 芦北支部が要望するネットワーク構築には協力を惜しまない。民間防犯ボランティアと警察との協働を図り、安全・安心なまちづくりに努めたい。
【メモ】
建設業社会貢献活動功労者表彰 今年で3回目。全国建設業協会が毎年7月を「建設業社会貢献活動推進月間」と決め、功績のあった都道府県協会、支部、会員企業などを表彰している。 |