全国測量設計業協会連合会
会長 藤本祐二氏
若者が魅力的と思える業界へ



 全国測量設計業協会連合会(全測連)の新会長に藤本祐二氏(ARIAKE)が就任した。熊本県の協会長から初めての選出で、全国44都道府県測協(会員約2600社)を束ねる司令塔としての大役を任された。最優先課題に技術者の確保を掲げる藤本会長は「デジタルを駆使し、若者に魅力的(かっこいい)と思われる業界に進化させたい」と意気込みを語る。



――就任の抱負を
 熊本県測量設計コンサルタンツ協会と全測連九州地区協議会の会長、全測連の副会長としての経験や培ってきた運営能力、人脈等を最大限に活かし、業界の発展に努める。また業界の活動を通して、安全・安心なインフラ整備を担う国や各都道府県の一助となれるよう尽力する。
 先ずは会員第一の運営を行う。各地区協議会や都道府県協会、会員各社から様々な意見や発注機関に対する要望を丁寧に汲み上げ、会員のためになる活動を展開していく。各県協や全測連組織内で密に情報共有し、風通しを良くしたいと思っている。

――今年度の活動計画は
 何か大きく変わるということはない。これまでも4つの専門委員会で様々な課題を研究し、国に提言している。毎年度、テーマを決め、課題整理に取り組むが、中でも全測連委員会の一つ「未来の測量委員会」で実施する▽測量資格制度の見直し▽UAV等の認定資格制度の検討▽3次元データ本格運用の検討―を通じて、業界の在り方を協議していく。

――担い手の確保・育成への解決策は
 国会で成立した第3次担い手3法では、建設業法とともに測量法が改正され、中長期的な育成や確保に留意して測量士・測量士補の資格制度を見直すことが規定された。全測連としては国の動向を注視し、必要に応じて最適なスキームを議論し提案していきたい。
 例えば公共事業の業務は測量士補で対応できる部分もある。測量士の合格率が低い(2024年度13%)ことを考えると、測量士の業務を測量士補も行えるようにするなど、実態に即した資格制度に見直すべきではないかと思っている。
 担い手の確保はどの業界でも厳しい状況にあり、測量設計業界も外国人材の拡大が必要不可欠と考える。政府は特定技能の在留資格により、28年度までに建設分野で受け入れる外国人の見込み数を最大で8万人とする方針を決めている。現在、弊社においても資格を持つ優秀な外国人が活躍している。

――国、行政に働きかけていくことは
 測量設計は公共事業を中心に業務を行っており、将来を見通せる予算措置が必要だ。6月に自民党の測量設計議員連盟に対し、25年度の予算編成に向けた要望書を提出した。4年目を迎える「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」は補正予算で措置されているが、公共事業用地の現状把握や事業の計画立案、用地取得は単年度だけでは終わらない。策定を進める「国土強靭化実施中期計画」も含め、当初予算での措置や、中長期的な視点で安定した事業量の確保を求めた。

――協会員に向けてのメッセージを
 新4K(給料・休暇・希望・かっこいい)の実現を目指す。若い人が測量設計の仕事に魅力を感じてもらうためにも、業界全体でデジタルを駆使できるようにしたい。技術革新の進展によってデジタル化が加速しており、測量設計の基盤となる3Dデータの本格運用に対応した方策を検討していく。
 全測連の活動は会員並びに構成員企業に支えられて成り立っている。測量設計業の地位向上、会員企業の経営安定に努めていきたい。業界が安定的に経営を進めていくことは、インフラ整備を通じて国民生活の向上や安全・安心に直結する。自信と誇りを持って活動に取り組んでいく。
2024.8.30掲載

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