佐藤信秋参議院議員に聞く(上)
「理論」と「力」で政策実行

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 公共工事設計労務単価が7年連続、最低制限価格が10年ぶりに引き上げられ、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」が予算化、今国会では新担い手三法(改正品確法、改正建設業法、改正入札契法)も成立した。建設業界の職域代表である自由民主党の佐藤信秋参議院議員は、これら全ての政策立案に深く関わってきた。12年前の当選以来、建設産業の課題に実直に向き合い、具体的な政策を積み上げ実行に移している。熊本地震時は、予算確保や復興係数・復興歩掛の導入など、早期復旧に向けた円滑な施工確保対策に尽力した。西日本建設新聞社のインタビューに応じた佐藤参議は、「口先だけでは働き方改革はできない」「熊本の足腰を強くし、新3Kの魅力ある職場にする」と力を込める。



■公共工事設計労務単価
 週休2日へ引上げ必要


2013年度の調査から、10月の調査結果を季節補正するよう改めた。10月の労働日数だけで適用せず、年間全体の見方で捉えなければいけないということを直に財務省に進言した。「これだけ下げておいて何を言うんだ。戻すんだ俺は」と。13年度から7年連続の引き上げとなり、概ね以前のピーク時まで戻すことができた。
 それでも、働き方改革を実現させるにはまだ十分ではない。例えば「4週6休」を「4週8休」にしようというのであれば、22日働いて稼いでいたものを20日で稼ぐためには、労務単価を1割上げなければいけない。口先だけで言っても働き方改革は出来ない。ピーク時の労務単価に戻しただけで、「給料がいい」「休日が取れる」なんて言えない。週休2日という観点からみれば、明らかに1割は上げなければおかしいという議論になる。現在の休日状況と4週8休とのギャップを埋めるため、しっかりと労務単価を引き上げ、工期を伸ばし、経費も増やすように活動していく。

■最低制限価格 10年
 で実質7回引き上げ


 予算決算及び会計令(予決令)第85条で工事の最低制限が定められている。私が参議院議員になって2009年、低入札価格調査基準が予定価格の「3分の2〜85%」だったのを「70〜90%」に、そして今回「75〜92%」に引き上げることが出来たので、10年ぶりという意味になる。
 ただし、その間も算定計算式を改善し、現場管理費、一般管理費等、直接工事費の算入率を6回引き上げて、基準値の計算結果自体を上げてきたので、この10年で基準値そのものは、実質7回目の引き上げだ。
 これを公契連モデルとして国の機関が横並びに適用するのだが、県・市町村に対しては設計労務単価と同様に、同じものを使うこと、むしろ、92%を超える基準で運用するよう求めていく。92%といっても、予定価格から8%値引きしているわけだから、可能な限り上に行ったほうがいいという理論だ。〈次号に続く〉
2019.6.27掲載

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