一般社団法人 八代建設業協会
理事長 中山英朗氏
生き残りへ「再編」も視野

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 (一社)八代建設業協会(熊本県建設業協会八代支部)が5月18日開いた第4回通常総会で、中山英朗氏(中山建設社長)が新しい理事長に選出された。就任直後のあいさつで、「神戸や東北などの建設業は復旧工事の完了で疲弊している」として、復興後を見据えた何らかの対応が必要との認識を示した。土井建前理事長が熊本県建設業協会会長に就任し、その後を引き継ぎ今後どのような協会運営に取り組むのか話を聞いた。




―業界の人手不足は
 八代建協では青年部活動を継続してやってきたことから人が育っている。私自身県協会青年部会長を務めた事があり、当時の藤永支部長の指示で八代にも協会青年部を設けた。その結果現在は協会運営での人手不足というのは感じられない。ただ現場での慢性的な人手不足はあり、八代に於いても数社が外国人労働者を受け入れている。
 3年前別の団体で、高校生を対象にした就職に関するアンケート調査を行った。「八代に残りたい」との回答は15%程度だった。40〜50%程度は県内就職を望んでいるが、地元への就職希望者が少ない。理由として(賃金面等の差もあるが)進路指導の先生を含め、地元の会社をよく知らないという結果だった。我々建設業を含め地元企業のPR不足も否めず、少子化が顕著化している現在、専門課程の学生に限らず、地元の高校生らに建設業の魅力・必要性を伝え、根気よく若者の入職を促していきたい。

―会員の受注環境は
 工事の絶対量の確保が心配。災害関係の80%程度が発注済みで、他地域に出て行けるランクの業者は別として、地域の支えとなっている下位業者が生き延びられる環境が必要と思う。大きな災害が起こった他県で、復興後の急速な公共事業削減のため、業者に大きなダメージがあったと聞く。震災の恩恵はあったが、今後公共事業の発注状況がどうなるかで経営の見直しが必要になると思える。会員87社の生き残りのためには、自助努力は当然として、公共事業の予算確保をぜひお願いしたい。

―業界の再編について
 協会会員は土木業者が多く、A1が7社、A2が23社、B30社、C・Dが27社となっている。今後、発注状況により、会員数の増減、ランク業者の数も変化するだろうが、震災発災時に地域建設業の必要性を自覚された自治体、市民の方も多くいらっしゃると思う。地元に必要不可欠な我々建設業が生き残っていくためには、円満な事業継承や合併が必要になってくることもあると思う。再編といっても利害関係がありなかなか難しいだろうが、協会として何ができるか研究したい。

―就任の抱負を
 土井前理事長が県協会長になり、青年部会長に野社長(野組)が就いた。出身母体として支援していきたいと思っている。県協会と八代建協のシナジー効果により、何か良い結果を導き出せれば良いだろう。
2018.6.28掲載

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