県建築協会 岩永一宏会長
事業踏襲し、会員の優位性も模索


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 熊本県建設業協会建築部会が4月に一般社団法人を設立して誕生した熊本県建築協会。舵取りを任せられた岩永一宏会長(岩永組代表取締役社長)は「会員の優位性をつくりたい」と意気込みを語る。建築部会の活動を踏襲しつつ、新たな取り組みを模索し始めた岩永会長に業界の現状や事業方針を聞いた。





――技能者不足が広がりを見せていますが
 ものづくりは、機械化が進む中であっても、最後は人の力。どのように人材を引き込んでいくかが業界の生き残るカギで、しっかり知恵を絞らなければならない。一企業だけでの現状打開は難しく、協会と関連団体が連携して雇用安定を図ることが大切。そのような意味では今年2月、建築関連専門工事業10団体と▽適正な施工体制の確保と将来にわたる工事の品質確保▽施工力・技術力の維持向上▽中長期的な担い手確保―について協定を交わしたことは、重要な出来事だ。今後、地域建設産業の振興と発展に向け連携を強化したい。
 若年入職者の促進にあたっては、長期的なビジョンを国が示してほしい。20年後の産業構造とか産業構成比とか。「建設産業はこれだけの数が必要」「予算はこれだけ付く」などと目指すべき目標を示して頂ければ、中学や高校の早い段階から建設業への入職意識を芽生えさせることができる。また雇用側も将来が見通せ、求人の判断材料になるのではないか。

――協会の事業方針は
 高齢者等の家屋補修ボランティア、緊急防災隊、安全大会、自治体への要望活動など、これまで建築部会が行ってきた事業を継続し、会員の社会的な認知度を上げていく努力をする。特に要望活動では、施行された改正品確法で発注者責務が示された。法に即した建設行政が確実に実行されるよう働きかけなければならない。
 また会員が、非会員との優位性を分かって頂けるような事業も模索したい。その一つに、元下間など企業間の商取引における契約の仕組みを電子による交換に変え、利便性を提供することを考えている。まずは研究して価値を見いだしていく。

――副会長を務める県建設業協会ではどのような主張をしていきたいですか
 まず言っておきたいのは、建築協会が建設業協会を構成する組織の一つであるということ。建設業協会では、建築の立場で今後も協会や行政などに課題提起していく。
 例えば、自治体の入札制度などは土木を主体に考える傾向にある。建築は企業数も工事件数も工事金額も違う。一例をあげると、県の格付けや一般競争入札で施工実績が評価されるが、建築の受注件数は、工事件数を企業数で単純に割ると概ね6〜7年に1件。それに対し土木は、地域によるが1年に1〜2件の受注という。現在は、10年間の施工実績に見直されたが、このように建築は、置かれた立場が全く異なることを訴えていく。
2014.6.30掲載

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