熊本県建設業協会菊池支部 前川浩志支部長
「全体会議」立ち上げ情報発信
「改正品確法をはじめ、激しく動く業界の情勢を支部会員にしっかり周知したい」。新支部長に就任した前川浩志氏(八方建設代表取締役)は、自身の役割を情報提供≠ニ見定め、新たな取り組みを展開する方針だ。協会本部の副会長も兼任することになり、その重責は更に増し「やるべき事をやっていくだけ。凡事徹底に徹する」と前川支部長。支部の運営方針などを語ってもらった。
――広域大水害からやがて2年を迎えますが支部会員の現状は
今は災害の工事で潤っているが、「これが終わったら全て終わり」では困る。県北広域本部と基礎自治体の公共工事予算の確保が急務で、今後、陳情を行い、支部長職としての一役を担っていきたい。
また、我々の手で公共工事を創り出す努力も必要だ。いわゆる提案型公共工事。例えば、阿蘇くまもと空港の広域防災拠点化は、空港が支部管内に位置することを踏まえ、我々も防災・減災体制への対応に向けて様々な手法で公共工事を提案できると思う。
――急ぐべき課題は
前川勝前支部長が尽力してきた災害情報共有システムの完全構築と防疫体制の強化と考える。特に防疫体制について、菊池地域は牛4万5000頭、豚9万頭、鶏100万羽と、県内最大の畜産地域を抱えている。もし家畜伝染病が発生した場合、その被害は4月に人吉地域で発生した鳥インフルエンザの規模の比ではない。熊本の中心都市に隣接していることもあり、最悪、終息まで数カ月は要するだろう。万が一の被害を最小限に抑えるため、県や自治体と一体となって体制強化に努めなければならない。
今年は、7月24日の支部安全大会に人吉支部の山口支部長を招き、多良木町で発生した鳥インフルエンザの体験談を講演して頂く。会員は、机上のシミュレーションで想定できない出来事などを聞き、防疫に対する意識を改革してほしい。
――支部の新たな活動構想はありますか
本部の橋口会長は、国や県などに対し法制定や制度改善を強く要望し、状況の打開に奔走している。その結果、労務費単価の引き上げや事故繰越の活用などの実績を上げてこられた。このような多くの情報を本部から支部に持ち帰り、発信する。それが一番の役目と考える。周知する手段として、支部会員が全員参加しての「全体会議」を今年度から立ち上げる方針だ。
全体会議では、県北広域本部が支部管内に所在するというメリットを活かし、例えば、将来予想される地域振興局の統合再編など地域の変化についてもいち早く情報を収集して伝えたい。早い情報は、自社の将来を見通せ、様々な意味でのレベルアップや地位向上につながる。
――協会本部の副会長にも就任されました。協会全体を牽引する中心的立場の一人として今後努力したいことは
本部では、土木委員会の担当副会長や、橋口会長の諮問機関として設置した「公共工事品質確保特別委員会」の副委員長を務めている。両委員会がリンクするところが多々あるため、活動が密に連携できるよう努力し、橋口会長をはじめ、協会をサポートしていく覚悟だ。 |