就任インタビュー
熊本県建築士会水俣芦北支部長 川畑貢氏
地元の技術者が活躍できる場を
熊本県建築士会水俣芦北支部の新支部長に川畑貢氏(カワバタ建築代表)が就任した。公共事業の削減や高齢化など時代の波が地方の経済を脅かしている中、課題解消に意欲を示し、水俣芦北地区の建築業界を牽引する。
――水俣・芦北地区で急ぐべき課題はどんなことですか。
県内の各支部でも同じような状況だと思うが、会員の増強が第一だ。特に建設会社などは2〜3人の資格者を保有していると思われる。でも加入しているのは1人だけというところが少なくない。建築士会は、自己の技術研鑽に加え、技術者間の交流を図ることが狙いの一つ。未加入者の掘り起こしで支部の活性化につなげたい。ただ、当支部では若い人達が増えてきていることが明るい材料になっている。
――業界内での交流がうまく機能している証しかもしれませんね。外部への発信はどうでしょう。
建築士会という組織が一般の人たちにあまり馴染みがないというか…。もちろん芦北水俣建築設計事務所協会ともタイアップし、建築無料相談等を通じてPR活動は行っている。一般の方々にもっと知ってもらえるように更なる広報活動を行っていかなければならない。そのためには青年部の活動に期待しているところ。人数も増えているようなので、頼もしい限りだ。
――建築士の動きが水俣芦北地区の建物に影響を及ぼすと。
今の若い人達は、車を買う感覚で住宅展示場に行き、住宅を購入しているように見受けられる。そのためにはどうすればいいのか。ハウスメーカーの良いところを取り入れながら学ぶことも必要だ。なにより同じ土俵に上がることができるよう勉強しなければならない。我々がもっと地元にアピールして相談を受けることができれば、自ずと地場業者に仕事が回ってくると考えている。
――水俣市には「水俣エコ住宅」という立派な住宅展示場がありますから環境は整っていますね。
行政からも「活用してほしい」との要請もある。この住宅は、地場産材や地元の業者を使って、環境モデル都市にふさわしい自然に負荷をかけない施設を造ることが基本。既に動き出している物件もあり、次第に浸透しつつある。行政とも連携し、地元の技術者、特に若い人達が活躍できることを願っている。そういう場を設けることが我々の役目だろう。 |