就任インタビュー
八代建築設計監理協会会長 松出賢治氏
自己研鑽し信頼確保へ
生まれも育ちも八代で、ふるさとをこよなく愛する。設計事務所として独立したのはほんの9年前。このほど開かれた平成24年度総会で新会長に就任した。地元に信頼される協会として舵取りに邁進する。松出会長に抱負などを聞いた。
――地元の建築士として大切にしていることはありますか。
自己研鑽することだ。今はインターネットが普及し、誰でも情報を手軽に手に入れることができる。お客さんの方が詳しいことだってある。でも間違った情報も中にはあり、我々が建築のプロ≠ニして総合的な見地から的確なアドバイスをしなければならない。そのためには、常に勉強していないとそれもままならない。何より信頼を勝ち得ないのではないか。
――建築業界にとって東日本大震災は様々な教訓を残しています。八代にも活断層が通っており、いつ災害に見舞われるかわかりません。
今一番心配していることは、木造住宅建築物の耐震化だ。公共施設については、随時、補強、建て替えが進められているが、ほとんどの民間建築物については手つかずで、調査・設計にも予算面から尻込みする人が多いと聞く。時間も、金もかかるので強制はできないが、建て替えや耐震化はここに残るという意思表示だ。だから家具の配置、避難の仕方など、ソフト面で安心感を与えることも我々の役目かもしれない。
――そういう意味では、協会の立場も地域と密着していることが求められますね。
八代という地域を、活力あるものにしていかなければならない。そのための一翼を担うことが、我々に課された使命だと思っている。地域での会員一人ひとりの活動が、八代に貢献できることにつながることを願っている。
――自身も地元に貢献する活動を行っていると。
事務所設立と同時に地元の消防団に入団した。地元約2100戸の安全・安心のために一生懸命取り組んでいる。一昨年には、消防団の花形である操法選手として大会に出場した。厳しい練習だったが、よその若い選手たちと戦い、終わった時に達成感があった。地元からの信頼もこれまで以上に頂いたのではないか。 |