就任インタビュー
熊本県瓦工業組合
理事長 東 平和氏
施工技術のレベルアップが課題
今年度から理事長職を託された東平和氏(挙穴「工業代表取締役・大津町)は、第一線で活躍する現役瓦職人=B現場の人間が大役を引き受けることに戸惑いを見せながらも、「現場に立つからこそ気付く組合運営法がある」と言い切る。「まずは組合員の施工技術のレベルを上げることが喫緊の課題だ」。ビジョンを明確にした東理事長に聞いてみた。
――前理事長が打ち出した「組合員の増強」「組合員の販路拡大」「組合の広報活動」の3本柱からなる活動方針(通称・生き残り戦略)は継承していくのか
組合に改革≠ニいう新たな風を吹き込んだのが生き残り戦略で、3本柱の路線は継承していく。ただ、戦略を達成するためのやり方を変えていきたい。
例えば販路拡大。私は現場で働く職人だが、業界の現状は、他社よりいかに単価を下げ仕事を確保するかという「単価ありき」「安ければいい」の風潮を切実に感じる。我々は本来、技術屋で、お客様にとって良い技術、良い仕事を提供することが使命。お客様と直接顔を合わせ、価格≠ナはなく仕事≠見て頂けるよう企業側が意識を変えていくことが販路拡大につながると考える。
これまで、団体として、一般顧客からの受注拡大を目的にショッピングセンター等での瓦の展示や施工技術の実演などを行ってきた。もちろん、不備な点を改善しつつ継続していくが、今後は、組合企業1社1社の営業のあり方について意識改革していくことから始める。
――意識改革するために組合としては、どのような施策を展開するか
組合員の施工技術のレベルを上げることだ。高い技術を持って営業すれば、「高い単価でも、それに見合う仕事が提供できる」と顧客に胸を張って言える。今年度の新たな事業として、県内外から優秀な職人を講師として招き、組合員の技術のレベルアップを図る勉強会を開催していく。
――減少傾向にある組合員数については
確かに厳しい状況。しかし、積極的な外部勧誘は行わないつもりだ。一般的に、呼び掛けもなく加入者が増える団体は何かしらの魅力≠ェある。我々の組合はそれを技術≠ニいうものにしたい。現在も組合各社は素晴らしい技術を持っているが、まだまだ外部に「組合員になると、これだけの高い技術が学べますよ」とまでは言えないのが現状。まずは高い技術を持つ集団を目指し、最終的に加入をお願いされるような組合にしたい。
――組合PRに向けた活動は
8月8日の「屋根の日」に因んだ奉仕活動、エコ活動の一環として取り組んでいる廃瓦ガーデニング、県内文化財への無償瓦葺きなどを、さらに充実させたい。特に屋根の日の奉仕活動は、昨年度までの一カ所集中から、今年度は、地区会(組合員の企業が所在する地区連絡会で5地区15地域)ごとに実施し、全県下に活動を拡大する。 |