就任インタビュー
(社)熊本県地質調査業協会
新理事長 浜田 俊教氏
県内の液状化マップ必要
協会創立30周年を昨年終え、次の40周年に向け新たなスタートを切った今年、(社)熊本県地質調査業協会の新理事長に就任した。「前理事長がしっかりとレールを敷いてくれたので、その上を確実に進むだけ」と控えめだが、公益法人改革や受注拡大など、課せられた宿題はどれも難問だ。抱負や取り組みなどを聞いた。
――就任にあたっての抱負を
3月の東日本大震災を教訓にして、熊本県の液状化マップを作成する必要があるのではと感じた。自分の住んでいる場所がどんな土壌なのかを知っておくことは、とても大切なこと。安心できるし、備えもできる。どこまで実現できるか分からないが、我々が持っている技術とデータを活かして、少しずつでも作っていければと思う。関係機関へも訴えていきたい。
――景気の低迷が続いているが
公共投資が削減されると、まず影響がでるのが我々の業界。3本予定していたボーリングを2本に減らされることもあると聞く。だが本当は逆で、きちんと調査分析し、設計変更など工事の手戻りをなくすことで、事業費の削減につながる。熊本の地形・地質は複雑な場所が多いので、特にしっかり調査しないと。もちろん協会としても、ただ調査するだけでなく、いろんな提案ができるよう、協会員の技術・知識の研鑽に努めていきたい。
――受注の維持・拡大に向けた取り組みは
県や市町村の公共投資が減少する中にあって、どうにか1次官庁の仕事ができないかと考えている。国土交通省については、前理事長らが指名要請の陳情を続けた結果、昨年度に僅かだが実績をつくることができた。今後は、その数を増やせるよう努力していきたい。また、新たな受注先として九州農政局へも働きかけていくつもりだ。
――協会として新たにチャレンジしたいことは
地質や土質のことを広く知ってもらうために、検定試験的なものができないかと考えている。子どもから大人まで誰でも参加でき、成績等に応じて初級、中級、上級の鑑定士に認定されるような仕組みだ。実現できれば、地質を楽しく学ぶきっかけになり、興味も湧くはず。生涯学習や地球環境への関心も高まると思う。これまでも出前講座などを開いていたが、もう一歩踏み込んだ形にしたい。 |