熊本県建設業協会
会長 橋口光コ氏
このままでは倒産が続出 産業として成り立つ政策を
――今回、県選出国会議員に要望した理由は
補正予算編成は、事業量を増やしてもらわないと8月過ぎから相当の倒産・破産が出てくるのではという危機感からだ。当初予算だけでは、我々の業界はアウト。公共事業投資が5%削減されたうえに、震災で5%が保留。県レベルでは10%減ということになる。昨年までは、一昨年の補正の残りがあったが、今年はそれがなくなった。昨年全体と今年当初を単純に比べれば、感覚的には工事量が半分程度になるのではないか。補正が無いと、限界点を過ぎてバタバタと倒れてしまう。
もう一つは、労務単価の見直しではなく政治的決着だ。落札価格が低下した時点で単価を調べ、その単価で翌年にまた価格が下がるスパイラル状態だが、「会計法」と「予算決算及び会計令」は国会議員でないと見直せない。
いずれも、九州各県の建設業協会で同様の動きをとっている。血の出る努力をしている我々の現状を国会議員に訴え、考えてもらいたい。我々は商売人の集まり。与党だろうが野党だろうが政治に対して正面からものを申していく。
――国会議員の反応はどうか
補正予算については、与野党の一部議員から前向きな返事を受けた。ただ、2次までは震災関連だから、3次補正はあったとしても年末にしか付かない。それでは遅い。もう一度お願いする。
労務単価については、会計法の関係上、簡単に「わかりました」と言える問題ではなさそうだ。ただ、変えないことには単価が下がり続け、現在でも平均年収230万円といわれている。このままだと若い人が誰も入ってこなくなる。5年後、10年後に建設産業が成り立っているのか怖い。時間がかかり単純には進まないと思うが引き続き訴えていく。
――県が6月から格付けなど入札契約制度を改正したが
改正前が良かったという声もあるが、それは本末転倒。一部の業者の持つ不満もわかっているつもりだ。ただ、内向きに現象だけを捉えてはいけない。木を見て森を見ず≠ナは業界が萎縮してしまうだけ。現状を見つめ、予算を増やして単価を上げてもらうという根本的なことを外側に向けて発信していかなければならない。 |