建設コンサルタンツ協会九州支部
支部長 植田薫氏
壁を越え会員のメリットを
(社)建設コンサルタンツ協会九州支部の新支部長に植田薫氏(第一復建椛纒\取締役社長)が就任した。公共事業費削減や入札契約制度改正、公益法人制度改革などへの対応で難しい舵取りを託された新支部長に、今後の支部運営方針などを聞いた。
――コンサルタント業界の現状は
ピーク時(平成11年度)の4割程度にまで業務量が減り、プロポや総合評価など調達方式も変わってきた中で、大手、地方大手、地域コンサルのせめぎ合いが顕著になっている。それぞれ思いが違うので、どうまとめていくか難しい状況にある。会員数の減少も課題だ。
――支部としての具体的な対応は何か
発注者に、業務評定を活用した業者選定と、予定価格の事前公表廃止を求めていく。会員数の減少に対しては、加入条件の一つである売上高や技術士数を緩和したことで、現在数社が入会を希望していると聞いている。協会の存在意義が認められ、一種のステイタスと捉えられているのではないか。
――技術者の平均年齢が上がっているが
昔は力学などの計算が出来て図面が書ければ何とかなっていたが、今はエコ、生物、化学、環境などいろんなものが入ってきて、従来の土木技術だけでは対応できないことが多い。例えば、蛍が生息する護岸設計では、蛍の生態がわかっていないと出来ない。IT、CADの進歩も含め、新しい知識で時代に即応できる若い技術者が必要だ。若手技術者交流会等を通じ、学生に建設コンサルの魅力をPRしていきたい。
――東日本大震災での思いは何か
これまでは、耐震基準など条件に従って設計するというシンプルなもので、想定外のことは考えてもいなかった。今後は、壊れたらどう対処すればいいか、思想を変えていかなれけばならない。その意味でも、建設コンサルの役割は非常に大きく、また責任も重い。
――支部活動の運営方針は
異業種交流や技術交流会など、業界の壁、会社の壁、技術の壁を越えて活動する。いずれにしても、これまでの流れを引き継いで更に発展させていく姿勢だ。一般社団法人の移行に伴い、会員のメリットになることを出来る限りやっていきたい。 |