水俣地区生コンクリート協同組合
理事長 江口隆一氏
LLPで生コン工場を集約化
水俣地区生コンクリート協同組合(江口隆一理事長)の3社3工場が昨年、生コン製造を熊南生コンLLP(有限責任事業組合)に、輸送部門を熊南運送鰍ノそれぞれ集約した。製造・輸送部門を一本化し合理化することで、枯渇する生コン需要に対応。利益を確保しながら出来る限りの地域雇用を守っている。県内ではもちろん全国的にも先駆的な取り組みに英断を下した江口理事長に話を聞いた。
――LLPにしてからのメリットはどうか
集約化したのは、私がオーナーだった太陽生コン鰍ニ芦北中央生コンクリート梶i吉村二三彌社長)、轄]口興産生コンクリート事業部(和田貴嗣社長)の3社。プラントを買い上げてのスタートだったので、今さら目先のことだけで仲違いは出来ない。今は組合員の合議制で運営しているのでオーナーだった頃に比べて経営判断のスピードが遅くなったかもしれない。ただ、2工場をうまく回転させながら少ない台数で輸送できており、集約化による効果が表れていると思う。
――うまく機能させるために苦労した点もあったと思うが
1年ぐらいの準備期間で組織を立ち上げた。その間、愛知県や長崎県の同様な組織を視察し、先進事例を見ながら手法を学んだ。金融機関からの融資もスムーズに行き、資金繰りが順調だった。早めに集約化に取り組んだことで経営者としての評価も上がったと思っている。しかし、前例がない取り組みだったので、信用保証協会に理解してもらうことに苦労したし、緑ナンバーの許可も取れなかった。運輸部門を立ち上げたのもこのため。LLPに対する社会的な認知度、信用度が無かったことが要因だろう。
――集約化・合理化は業界の課題でもあり、先駆的な取り組みへの決断についてはどうか
集約化の手法は、色々あり自分たちに合ったパターンを考えたら良いのではないか。今までライバル企業だったものが、丸裸になる部分もあるので嬉々として進まないのは当たり前。LLPの場合は、全てが組合員の共有財産となり、法人格も持たないので税制上、有利となる。会社が潰れることを思うと多少の譲渡は仕方がない。大幅なリストラも経験し、痛みも伴った。でもみんなで共倒れで良いのか。
――後進へのアドバイスを
我々の体制は、私が現場を指揮し、和田社長が組織を管理、ご意見番として吉村社長が控えている。3者の棲み分けがうまく機能しており、良いパートナーに恵まれたことが大きい。輸送効率も上がり、利益も出るようになった。現状を見据え、将来を見据えることが大切。県工組からも「水俣は良いね」と聞いている。有り難い限りだ。
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