昭和建設(株)
代表取締役社長 福元秀逸氏
農林水産大臣賞を受賞
「森を守る仕事」に誇り
林野庁主催の「平成21年度治山・林道工事コンクール」で、昭和建設梶i福元秀逸代表取締役社長、球磨郡球磨村)が施工した「折渡林道21支線新設工事」が農林水産大臣賞を受賞した。コンクールでは、全国の森林管理局が推薦した治山および林道工事の中から、それぞれ1件が最高位となる農林水産大臣賞として表彰される。今回の林道工事は、162件が審査の対象となった。福元社長に受賞の感想や工事に対する思いなどを聞いた。
――受賞の感想は
実は昭和62年のコンクールでも「出水大川内林道新設工事」(人吉市矢岳町)で、農林水産大臣賞を頂いている。2度受賞することは非常に難しいと思っていたので「大変驚いた」というのが正直な感想だ。
弊社では、林道工事を施工する場合、「山を傷めない」「木を傷めない」との考えを従業員に徹底している。今回の現場でも、掘削等で発生する土砂が周囲の木を傷つけないよう、拾い集めた枝や葉で幹を覆うなどの保護対策を行った。このような地道な取り組みを続けてきたことが、全国でも初めてだという2度目の大臣賞を頂けたのではないかと…。
――工事の特徴は
標高900bの現場で、冬場はかなり冷え込む所だった。このため、切土法面の霜崩れを防止する「丸太法面保護工法」が採用された。高さ3bの間伐材を並べて被覆し、横木やアンカーなどで固定するものだ。弊社では施工したことがなく、手探り状態での作業となったが、「きめ細やかで良好な仕上がり」と高い評価を頂いた。周囲の景観にも非常にマッチしていると思う。
――苦労された点は
冬場の工事だったので、凍結や積雪には随分と悩まされた。工期の問題もあり、除雪しながら作業した日もあった。会社から現場までは、五木村の大通峠を経由して車で約1時間半。毎朝、6時には会社を出発し、無事に工事を完成してくれた従業員には本当に感謝している。
――今後の目標は
林道の整備が進めば、間伐や搬出といった作業の負担が軽減され、国産材の需給率アップや地球温暖化の防止にも大きく役立つはずだ。これからも「森を守る仕事」に携わっていることに誇りを持ち、発注者からの期待に応えられるよう努力していきたい。
【折渡林道21支線新設工事】
▼工事場所=八代市東陽町▼工期=平成20年9月18日〜21年3月9日 ▼工事概要=延長380b、切土5843立方b、盛土2395立方b、コンクリート擁壁24立方b、L型擁壁22b、丸太法面保護工143b、排水施設工101b。 |