(社)熊本県建設業協会 熊本支部
支部長 橋口光コ 氏
「意識改革で建設業のあるべき姿へ」
10月に下益城郡富合町との合併が決まり、隣接町との合併に向けた動きも活発化するなど、政令指定都市の実現が見え始めた熊本市。市内業者で組織する熊本支部にとって、政令市への対応は避けて通れない課題ともいえる。寥F本建設業協会熊本支部の支部長に就任した橋口光コ氏(葛エ口組代表取締役社長)に支部の運営方針などを聞いた。
――政令指定都市についての支部の対応は
政令指定都市の先には道州制がある。もし道州制となった時、熊本市が政令市となっていなければ、熊本県全体が埋没してしまう可能性もある。支部としても政令市に向けた対応が重要となっているが、クリアすべき問題が山積しており、政令市がどのようなものかを我々があまり理解していないのが現状だ。
そのためにも、まずは政令市について勉強して考えようと先日、支部主催で出前講座を開催した。今後は、本協会内に特別委員会を立ち上げ、すでに政令市になっている各地の建設業協会を視察し、協会および支部のあり方を検討していきたい。
――支部会員に求められているものは
今までのように与えられる喜びを待っているのではなく“自分たちで喜びを作り出し、業界を立ち上げる”という意識がなければ今後の業界活動は無理。
協会には様々な考えの人がいるが、これからの業界活動について皆で語り合うことが必要だ。一度には無理だが、率先して『意識改革』に取り組んでいく
――具体的にはどのような取り組みが必要か
公共事業の拡大が望めないなか、まずは、県外業者に流出している工事を“地産地消”の概念から地元に取り戻す。次に、本来の建設業の姿である『重層下請構造』に戻すことが不可欠だ。
地産地消は、建設業のみならず県内の全産業界の課題として取り組み、足腰を強くしておかないと、このままでは熊本が沈没してしまう。各業界団体、自治体、金融関係などが同じ立場で、熊本のあるべき姿を語り合う機会を作るべきではないだろうか。
――一般競争や総合評価など入札制度改革への対応は
一般競争は時代の流れ。例えれば、我々は鰯と同じ、大きい魚(県外業者)が来た場合は群れで動く。しっかりスクラムを組んでおかないと、バラバラにさせられてしまう可能性がある。建設業界もきちんしたスクラムを組んでいれば今後、どのような入札制度になろうと、対応に問題ない。
総合評価は、まだ進行形の制度であり、これから成熟していくものと考える。到達点があるのか無いのかはわからないが、徐々に精度が高くなっていけば具体的な論議が必要となってくるだろう。
――今後の抱負は
いまは明治時代と同じぐらいの大きな変わり目だと考える。そのことを皆に理解してもらい、意識してそれら問題の解決に向け動き、勉強していかなければならない。しかしながら建設業界には、その余力がないのが現状だが、今後も熊本の発展のために尽力していきたい。 |