(社)熊本県建設業協会上益城支部
支部長 上田 幸徳氏
「山積する課題に全力で取り組む」
(社)熊本県建設業協会上益城支部は、平成20年度の通常総会で上田幸徳氏(矢部開発(株))を新支部長に選んだ。公共工事が減少する中、今後、支部が発展していくために必要な施策、活動等をどのように進めるか聞いた。
――就任にあたって抱負を
建設業は、今後も厳しくなっていくと思う。この様な時期だからこそ、会員や協会のために何が必要かを一生懸命考え、いろんな課題に全力で取り組んでいきたい。
――郡内建設業者の経営について
業界生き残りの話題になると、『異業種転換を考える時期に来ている』という言葉をよく耳にするが、この時期に転換しても大型投資をしなければ経営は上手くいかない。例えば、農業経営をするにしても、平野部と山間部では、作物を作るのにコストが違いすぎる。山都町のような山間部は、地理的条件からみても農業への参入は難しいのではないだろうか。
ただ、仕事量がこれ以上少なくなる事態が続けば、企業間合併という選択肢は残っている。そこには作業員カットというリスクを伴う。雇用機会の少ない山間部で、従業員の解雇は経営者としてとても辛い選択肢だ。このことは、業界全体で考えていかなければならない大きな課題でもある。
――今の入札制度については
総合評価方式の導入は、職種によって技術者を常に雇用しなければならず、資金面でとても辛い。いつ落札できるか分からない仕事に余剰人員を抱えることが、経営に良いこととは思わない。
支部では、常に変わる入札制度に対応するため、勉強会や研修会を開き技術・技能の向上を目指している。支部の全員が参加することで、より高い技術・技能を習得できると考えるが、なかなか難しい問題もある。全員が参加できる環境を整えることが、支部長としての今後の役目になるだろう。
――技術向上に必要なことは
私の会社を例に上げると、多くの社員を専門学校や産業開発青年隊で学ばせてきた。受験料や受験の際のホテル代等の費用も、会社が負担してきた。社員の資格取得を会社が支援するのが当然。技術を学び、資格を取得した社員は、自信を持って仕事をしている。各会社も経営が厳しいと思うが社員教育に充てる経費は、削減してほしくない。
――上益城支部としての取り組みは
県と災害協定を結び、大規模災害発生時の初期段階に、行政機関や住民と連携しながら即応できるプログラムとネットワークを構築した。また、環境保護の観点から、2年間で1万2000本の植樹を行った。今年度からは草刈りなどを実施して、少しでも多くの樹木を育てていきたいと思っている。 |