(社)熊本県建設業協会菊池支部
  支部長  前川 勝氏
 「支部単位の技術者勉強会を提案」



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 (社)熊本県建設業協会菊池支部の新支部長に前川勝氏(椛O川建設代表取締役・菊池市)が就任した。昨年度までの副支部長職をはじめ、菊池市の建設産業で組織する菊池市建設業協会では現職の会長を務めるなど、舵取り役の経験が豊富な前川氏。今年度からは、熊本県建設業協会本部の土木委員長も担うことになり、その重責は更に増す。支部長、土木委員長それぞれの立場から抱負などを語ってもらった。




――支部の現状と支部長就任の抱負を
 協会を脱退する傾向が続いている。協会は、皆が情報を共有・交換する場所であるはずだが、その意義が無くなりかけている。再度、会員の意識改革をしなければならない。一般競争入札や総合評価を見ても、今後、業者の格付ランクに限らず拡大するのは間違いないので、会員すべてが対応できるよう情報収集するのも支部長の役目だ。

――一般競争入札や総合評価の拡大、先般の単品スライド導入など、各種制度改革をどのように感じるか
 入札制度改革は、必ずしも希望が持てるようなことではないが、いわゆる不良不適格業者排除の可能性は高くなった。
 ある大学の先生によると、2〜3年前の建設業1社あたりの受注高は、全国平均の2億円に対し、熊本は1億円という。つまり熊本県は業者数が倍近くいることになり、そのような意味でも近年の入札制度改革は、ある程度の会社が淘汰され、優良な会社が生き残れる機会である。
 単品スライドについては、国、県等のいち早い導入を評価するものの、対象資材の位置づけが曖昧で、少々心配な面がある。
 例えば、鋼材では「建築のシャッターやサッシにも鋼材が含まれているが、適用可能なのか」、また燃料油では「アスファルトに関する燃料はどうなるのか」―などの問題が散見。国が6月末に行った業者向け説明会でも、対象資材範囲のはっきりした返答がなかった。
 今後、協会側から説明会などの開催を積極的に国等へ要請し、会員への周知を図りたい。

――土木委員長として協会本部の土木部門を牽引することになったが、最初に着手したいことは
 本来、土木委員会とは、現場の技術力を高めるためにあるもの。制度改革に伴う議論、自治体への陳情活動も大切だが、まずは、現場の技術力を高めるため、会員の技術者を対象とした勉強会を充実させたい。
 これまでの本部主催の技術者向け勉強会(土木施工管理技士会)だけでは、なかなか郡部などから参加しにくいのが現状だった。今後は、支部単位での勉強会実現を是非、委員会で提案していく。

――その現場技術者に対しては何を望むか
 菊池支部で言えば、現在、県と業者それぞれの技術担当者による会合を行っている。現場代理人が困っていることに対し、発注者から返答をもらうことで、一つ一つ問題を解決している。
 幹部で構成する委員会との会合だけでは、現場の把握に限界があるので、発注者側も「現場をこうして下さい」と言えないのではないか。発注者からの要望はあるはずで、受発注者の技術担当レベルで活発な話し合いをし、技術力のアップに努めてほしい。
2008.07.28掲載

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