(社)熊本県建設業協会荒尾支部
支部長 外屋敷 豊氏
「民間事業参入に向けた支部活動を」
(社)熊本県建設業協会荒尾支部は、平成20年度の通常総会で外屋敷豊氏を新支部長とする新執行体制を発足させた。厳しい地方財政の中、公共事業縮小や会員減少など様々な問題に直面している荒尾支部。低迷する現状を打破するための今後の方針や活動方法などを聞いた。
―厳しい状況の中での就任だが
非常に責任を感じている。バブル崩壊以降、公共事業は削減され、荒尾地域でも公共工事の受注率は減少。企業淘汰が進み、現在は支部会員数もピーク時から半分まで落ち込んでいる。事業拡大が望めない今、民間の設備投資や住宅投資などに目を向けることが重要だ。今後は公共工事に依存せず、民間事業に目を向けていかなければならない。そのために支部としては、地元住民と手を携え、地域経済の活性化に寄与する活動を展開していく方針だ。
―実際にはどういった活動を
会員に民間事業への参入を促すことはもちろんだが、住民へのピーアール活動にも力を入れる。具体的には、地元優良企業である会員らを紹介するパンフレットを現在作成中。これは全国的に問題となっている訪問販売・リフォーム詐欺の防止も兼ねて計画したもので、住民に安心して仕事を任せてもらうよう、会員が係わる工事で何かトラブルが発生した場合は支部で保証することも考えている。
このほか、異常気象により各地で発生する地震や洪水などの災害に備え、迅速に対応できる組織を作っていかなければならない。被害を最小限に抑えられるように、行政機関や会員との連携力を高め、日頃から連絡を密に取り合っていく。
―会員同士の団結力に定評があるそうだが
会員数は減少したが、その分結束力は深くなったと自負している。毎年9月の熊本県立荒尾養護学校で祭り用の舞台づくりや月に1度実施している清掃・除草などのボランティア活動への参加者も増えており、会員同士の意見交換も活発だ。非常にまとまりの良い支部活動を行っている。
今後は会員のために支部活動の公益性をアピールし、行政機関に支部への理解と協力を働きかけていく。近年、行政側は入札の競争性や透明性を高める活動を進めている。確かに応札機会が平等にあることは大切。しかし、ボランティア活動や災害時の復旧作業など地域への社会貢献を惜しまない我々と、ただ仕事のみをしている会社を全て均等に並べることは、優良企業の衰退にもつながる。企業を「差別」するのではなく、日頃の活動を評価し、会員と非会員を「区別」することが必要となる。
―建設業を目指す若者にメッセージを
業界の暗いイメージを払拭し、魅力ある建設業や物づくりの楽しさを伝えたい。汗にまみれ泥にまみれて大変な作業をするからこそ、完成した時の達成感がある。良いものを造れた喜びは何にも変えられない。今は苦しい時代だが、建設業は決してなくならない業種。仕事を続けていく中で厳しいことはいくらであり、様々な波風をうけ、それを自分のものにして乗り越えていかなければいけない。講習会の開催など支部活動を通して、次世代を担う人材を育成し、技術を継承していきたい。 |