熊本県建設業協会青年部
会長 岩永 一宏氏
「誇り高き建設産業≠次世代に」
発足して15年。熊本県建設業協会青年部の新会長に、岩永一宏氏(滑竕i組代表取締役社長)が就任した。公共工事の減少や部会員減少など課題を抱える中、岩永氏に今後の部会運営の方針などを聞いた。
――就任の抱負を
みんな自分の会社のことで精一杯というのが現状。青年部も会員が減少し、活動への参加者も少なく元気がないように感じる。一人でも多くの会員が青年部に出てきてもらえるような事業や雰囲気づくりに努めていきたい。
――20年度の具体的な取組は
親睦、研修、行政―の各委員会活動が中心になる。これまでも実施してきた県との意見交換も続けていく。総論を話し合うのではなく、現場で困っていることなど細かい部分を取り上げ、行政に訴えていくことも必要だろう。時代変化のスピードが速すぎるなか、同じことばかりやっていても仕方がない。
――建設業を取り巻く状況は厳しいものがあるが
公共工事が年々削減され、受注機会も減っている。安い金額で取らざるを得ない場合もあるかもしれないが、それでは経済性が成り立たない。安く受注すれば技能労働者の賃金にまで影響を与えてしまう。技能に見合うだけの対価は必要だし、子ども達に夢を与える職種でなければならない。
また、入札後審査型の条件付一般競争が始まったが、落札者決定まで時間がかかるので、配置予定技術者を他の工事に回すことも出来ない。総合評価方式にしても、工事実績を高く評価する場合もあり、同じ施工能力でも、評価に差が付いてしまう。
――スローガンに、這い蹲っても生き残ろう!誇り高き建設産業を次世代に残す為に≠掲げられているが
技術というのは誰でもやろうと思ってやれることではなく、経験を重ねないと技術は向上しない。現場を管理するにしても経験が必要だし、経営的な感覚、マネジメント能力も必要。私たちはこれらを次の世代に継承していく責任がある。
――そのような中での青年部の役割は
より自由な活動が出来るよう、発足時にあえて社団法人化しなかったが、最近は親会との特異性を見出しにくい状況になっているのも事実だ。
環境を憂いても仕方ない。私たちは私たちなりに「何をしないといけないのか、何が出来るのか」を探していきたい。それぞれの考え、やりたいことを持ち寄り、そこで共感を募って、行動していけたらと思う。
しかし、まずは自分の会社を守っていくことが前提。自助努力しないと、誰も助けてはくれない。 |