地元で出来ることは地元で
 熊本県道路構造物対策研究会 山本 祐司会長



熊本県道路構造物対策研究会・山本祐司会長

 公共事業の予算が縮小する一方で、高度成長期に建設された道路構造物が40〜50年が経過し、補修の時期を迎えている。特に、平成14年度からは大規模地震に備え、道路橋士方書が改訂され、性能・耐久性を強化。こうした中、15年に熊本県道路構造物対策研究会が設立され、高度な道路構造物補修技術とともに、ライフサイクルの視点で、質の高い構造物の建設に取り組んでいる。同研究会の舵を取る山本会長に今後の展開などを聞いた。



――設立4年目を迎え、発足当時と変化はあるか
 社会基盤となる道路構造物を有効に長期間、高品質に維持するための補修・補強技術を提供するための研究開発が基本理念。その姿勢は今も変わってはいない。ただ『出来ることを広げよう』と変化している。例えば、コンクリート構造物を電気防食する取り組みなど、色々な工種に対応できるよう努力している。

――地場企業の連携強化という意味では研究会活動が有効に作用していると思うが

 もちろん地元で出来るものは地元で≠ニいった想いが強い。だから情報を共有し、高度な技術でも対応できるよう交流している。基本的には補修・補強での研究会だが、会員のほとんどがゼネコンとして構造物を構築している。補修・補強技術は造った者でないと判らない部分が多い。どの時期で補修するか、地震への対応はどうか。それを研究会内で協議しVE提案していく。大手に負けないような仕組みを確立することが重要だ。

――これまでの補修・補強技術に問題があるか
 我々はこれまで30〜60年の耐用年数を100年〜200年にしよう、といった考え方で活動している。ライフサイクルコストを視点に『安くてこれまでの耐久性を持つもの』じゃなくて『高くても永く持つもの』を造るという。日本の道路事情を考えた場合、現在は国際規格の大型コンテナが許可もなく走ることができない状況。日本が世界で生き残るためには、どこでも大型コンテナが走ることができるよう道路構造物を強化しなければならない。

――研究会の活動が益々重要になってくると思うが

 工事を受注して工事の内容が思いの外違ったことはよくあること。このため現地調査は非常に重要。応急でするのか、永久でするのか。常にVE提案出来るように地道に努力していきたい。大手は自社の研究所でそれをやっている。地元でも出来ることを示していきたい。  
2007.07.30掲載

戻る

  All right reserved for west japan construction news Co.,Ltd    renewed on 2004/4/8 Y.アクセス昨日 T.アクセス本日