品質・強度・環境に絶対の自信 「SI工法」の良さアピールへ
 九州SI工法協会 川口 幸洋会長



九州SI工法協会・川口幸洋会長

 掘削などによる発生土を高品質の土壌として、その場で埋戻し、強度な地盤として再生できるSI工法。その『九州SI工法協会』の第2代会長に就任した川口幸洋氏(渇_仙建設[熊本市]代表取締役社長)に、工法の特徴や今後の抱負などを聞いてみた。


――協会設立の主旨は
 どこにでも土捨場の問題があり、特に都市部では大問題となっている。解決できない場合も多く、その場で強度な土壌として埋め戻す方法は搬出等の諸経費も要らず、ダンプ等によるCO2の削減、山の切り崩しがない―など環境にも優れている。
 しかし個々の企業ではアピール・工法の特徴などの広報・営業活動にも限界があり、協会として一致団結していれば乗り越えられると考え、平成15年の5月24日に設立した。技術委員会、広報委員会を設置し日々、努力している。会員は建設業だけではなく、新日鐵高炉セメント鰍煢チ入しており、高炉セメント・スラグを土壌固化材として使用している

――SI工法の特徴は
 従来工法は、山を取り壊し、削りだした山砂や、河川敷等から掘り出した土壌に石灰等をバックホーで混ぜ攪拌したものを盛土などに使っていた。このため混合が不均一になり、特に強度が要求されるものは、バラツキが生じ、品質確保ができなくなったり、また地震時に山砂で埋め戻した個所などは液状化になり易く、例えば下水道のマンホールが浮き上がる―など欠点が多かった。
 SI工法は、土質改良機に発生土を投入し、コンピューター管理で土質に応じ一定量の固化材を均一に混入し、高品質の改良土にして排出する。固化材の混入量を調整することにより、欠点をすべて解消できる。
 熊本には一般土だけでなく、火山灰系の粘性土も多い。そのような土壌と高炉セメント・スラグを混合し、盛土等をした場合、人体に影響を及ぼす六価クロムが溶出してくるものもある。そこで我々は、熊本大学工学部環境システム工学科の北園芳人教授に、実験・研究をお願いした。その結果、それら火山灰系粘性土でも適用可能の道が見えてきた。

――SI工法のPR活動は
 この工法は、品質・強度・環境面などすべての点で絶対の自信がある。発注者や設計者にもよく理解してもらい、この工法の採用していただきたいと考えている。そのためにも各発注機関に足を運び、直接この‘SI工法'の良さをしってもらうことが大事。品確法に則った“高品質を適正な価格”で受注できるよう今後も努力していきたい。

――今後の抱負は
 わたし自身、この工法を熟知している訳ではなく、まだまだ勉強していかなければならない。現在、この協会の中で具体的な営業実績を有する会社はまだ少ない・・・。
 このような中で工法をどのようにして拡げていくか、また会員全体がどのように利益を上げていくかが課題。機械の所有についても現在2社と少ない。機械は大変高価な物だし、協会としては一度に1社1社が機械を買うというのは難しい。これからの広報活動・営業活動により、少しずつ普及できればと考えている。
2007.07.16掲載

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