人材確保に向け福利厚生の改善必要
 熊本県鉄筋工事業協同組合 中村 隆理事長



熊本県鉄筋工事業協同組合・中村隆理事長

 熊本県鉄筋工事業協同組合の第4代理事長に樺村鉄筋工業(熊本市)の中村隆氏が就任した。組合では、中小企業人材確保推進事業を推進し、様々な環境改善に取り組んでいる。中村新理事長に就任の抱負や、業界が抱えている課題などについて聞いてみた。


――この業界に入られたきっかけは
 先代である父の働く姿を見て育ち、誠心誠意、確実な仕事をする父を尊敬していた。仕事を継ぐことに何の迷いもなく、大学卒業と同時にこの道に飛び込んだ。しかし、「中途半端な気持ちではいけない」と決意し、武者修行も兼ね、まずは東京の会社に就職した。
――業界が抱える課題は
 やはり、安い受注単価が挙げられる。価格競争・価格破壊が続く中、元請であるゼネコンも適正価格での受注が厳しい状況。当然、鉄筋業界にもしわ寄せが及んでいる。仕事はあるものの、従業員の賃金・福利厚生面まで考えると単価が足りない。限界まで下げているのに、これ以上というのは厳しいものがある。良い建物を作るためには、しっかりした品質の製品が必要。他の関連組合等と協調して、元請へ陳情していかなければと考えている。
――若手労働者が不足していると聞くが
 少子化が進み、大学への進学率も高くなるなど、高卒での入職者が少なくなっている。建設業の持つきつい・汚い・危険≠ニいう旧態依然のイメージが定着しているためか、求人しても人が集まらない。人材不足を補うため、外国人労働者に頼っているのが現状で、この業界でも60〜70人が働いていると聞く。
――人材確保に向け何か活動は
 当組合では、平成17年度から中小企業人材確保推進事業を進め、労働力不足の確保、良好な雇用機会の創出のための労働時間短縮、職場環境の改善、福利厚生・教育訓練の充実、募集方法の改善、雇用管理の改善などに取り組んでいる。今年が最終年度となるが、すぐに結果が出るものでもなく、10年後、20年後と先を見据え長期的に取り組んでいかなければならない。
 各企業とも働く人のことを考え、福利厚生面等の向上に努めている。今後も学校訪問やPR活動を積極的に行い、鉄筋工事業という仕事を理解してもらうことから始めている。
――仕事をする上で心掛けていることは
 父と同じく誠心誠意≠ェモットー。良い仕事を取ってきても、粗悪な仕事をしたら終わり。「仕事の結果が一番の営業」の精神で、これからも、他の業種と協力し合い、良い建物を造っていきたい。
2007.06.14掲載

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