「こどもSOS」事業をスタート
地域に貢献する建設業へ
(社)熊本県建設業協会芦北支部 坂田信介支部長
(社)熊本県建設業協会芦北支部(坂田信介支部長、会員68社)は、建設業団体では、県内初となる「こどもSOS」事業をこのほどスタートさせた。芦北管内に点在する事業所、工事現場を防犯活動の拠点として活用し、こども達が巻き込まれる事件・事故の抑止につなげるもので、地域に貢献する建設業としての活動を展開する。今回の事業に意気込む坂田支部長に聞いてみた。
――この事業を立ち上げるきっかけとなった経緯は
四国のある町の建設業協会が、同様な事業を展開していると青年部から情報が入ってきた。これは良い取り組みだということで、早速、取り入れていくことを支部会員と申し合わせた。県と締結した防災協定とも理念が一致していることが決め手となった。我々は根本的に発注者は地元の住民だとの考え方で仕事を行っている。地域に貢献できる先駆的な活動ということで非常に満足している。
――立ち上げるまでには紆余曲折があったと思うが
もちろんスムーズに行ったわけではない。支部会員との意志の疎通も重要だったし、行政機関との折衝も苦労した。ただ、一番大切なことは、こども達の安全を如何にして作り上げるかということ。支部を売り込むと言う考えは毛頭無かったし、その点は関係機関にも理解して頂いたと思っている。
――活動の準備段階として「こどもSOS」対応マニュアルを作成したと聞いているが
この事業は、我々受け入れ側の適切な対応が非常に重要となる。タクシー会社など他産業にも同様な活動を行っているところがあり、マニュアル作成に役立てた。支部会員の代表者の方々に参加してもらい、警察署などに指導を仰ぎ、講習会を2回程開いた。今後もこうした取り組みを継続していくことで全会員企業の隅々までマニュアル周知につなげていく。
――建設業界をはじめ他産業にも波及することも視野に入れていると
そう願っているが、ステッカーやのぼりの作製など、ボランティア活動にもある程度限界がある。活動を広げるためには、何らかの予算付けも必要となってくるのではないか。建設業に限って言えば、社会貢献していることを工事評定の中で適切に評価して欲しい。それが企業のモチベーションにつながるし、積極的な活動が成果として表れるだろう。 |