「建設産業セミナー&経営相談会」の講師として来熊した
九州地方整備局建政部・建設産業調整官 林 俊彰氏


林 俊彰氏

 熊本で15日にあった中小・中堅建設業のための「建設産業セミナー&経営相談会」の講師として来熊した九州地方整備局建政部の林俊彰建設産業専門官に、セミナーのねらいや今後の建設業の支援策などを聞いた。


――セミナーの主旨は

 九州・沖縄の建設投資額は、平成6年の8兆4500億円をピークに、16年度は5兆6500億円と6割にまで落ち込んでいる。一方で許可業者数は6万6000社と横這いで、市場が供給過剰状態に陥っている。過当競争やダンピングが発生する厳しいなか、セミナー等を通じて、新分野進出や経営基盤強化が図れるよう、国としても積極的に支援しようというのがねらいだ。
――経営体力が落ちているなかでの新分野進出はそう簡単ではないと思うが
 建設投資が縮小し厳しい環境にはあると思うが、品確法の施行で、これからは技術と経営力に優れた企業に淘汰されていかざるを得ない。本業に見切りをつけるということでは無く、本業である建設業の基盤をしっかりとしたものにするためにも、新分野進出に目を向ける必要がある。経営基盤の強化―という観点から捉えてほしい。
――余剰人員の削減が先決だとも思われるが
 新分野進出に成功した方々の話を聞くと、余剰人員を新事業にうまく活用し、かつ本業は本業で経営基盤の強化を図っているという事例が多い。受注量が減り社員が余っているから首を切るという視点であってほしくない。
――セミナー以外では何か
 建設業振興基金で、経営革新に意欲的な建設業者の取り組みをモデル構築支援事業として支援。16年度は42件のグループや企業を採択し、取り組み事例をホームページ(ヨイケンセツドットコム)で紹介している。成功のノウハウとか苦労された点とか感想とか参考になる部分が多い。事例を見ることでヒントを掴んでいただければ。
――ワンストップセンターの利用状況は
 建設業再生に向け昨年7月、建設業総合相談受付窓口(ワンストップサービスセンター)を各県建設業協会内に設置した。相談内容は新分野進出と経営相談。新分野に関しては農業、福祉、環境分野が多い。建設業に対する技術力はいろんなものを持っていても、ノウハウが無くてためらっている方が多いのでは。何をすればいいのか分らないとう方もまずは、気軽にこの窓口に来て頂きたい。
――今後の施策は
 ワンストップサービスセンターを充実させる。PR不足があるのか、相談するのをためらっている方がいるかも知れないので、同センターの周知に力を入れたい。セミナーも引き続き予定している。建設業者の方に元気を出してもらうのが一番の思いです。
2006.02.20掲載

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