「インターからのアクセス道路が今後の課題」
合併50周年を迎えた玉名郡南関町の町長 上田数吉氏
合併50周年という節目の年を迎え、 新たな時代を迎えた南関町。
4月1日から景観条例も施行され、 独自のまちづくりに取り組んでいる。
玉名地域での合併が進んでいく中、 単独との方針を決断した上田数吉町長には、
行政トップとしての舵取りが期待される。 今後のビジョン、
施策などを聞いた。
−−50周年を迎えての感想をお聞かせ下さい
現在の南関町は、 過疎化が深刻な問題になっている。30年前の合併当時に比べると人口も約半数に減少している。
過疎化対策の企業誘致でも大手企業の雇用は技術職。
専門職が優先され、 地元雇用は数人程度と厳しい状況だ。
少子高齢化が進む中、 補助金削減などの問題も山積しているが、
町民の方々の協力を得ながら新しい時代のスタートを乗り切っていきたい。
−−建設事業は積極的に取り組んでこられたようだが
過疎指定措置の恩恵が大きかった。 しかしその措置も21年度まで。
それ以降は、 現状のままとはいかないだろう。
ただ、 今年度は、 数年前から計画をしていた総合運動公園の整備に着手する。
これまで、 町には全天候型の運動施設がなく、
大変不便な思いをしてきた。 総合運動公園は、
町民の悲願であり、 健康維持のための環境づくりやレクレーションの場が是非とも必要だと思っている。
−−世代を問わないまちづくりを実践していると
今年、 3月に 「老人憩の家」 の改築が完成した。
老若男女を問わず利用してもらうために近代的な施設にしたのが特長だ。
名前も小学生から募集して交流センター 「ゆたっと」
に改名。 今年度は、 健康器具を導入して、 健康づくりの推進や健康相談の場所としての利用も図っていきたい。
−−観光地としての集客方法は
昭和47年には南関インターが開通し、 県北の玄関口となっている。
しかし、 若者は福岡など県外に出かけることが多くなり、
この利便性が逆効果になっている。 御茶屋跡の復元完成により、
観光客の増加を見込んでいるが、 インターから中心市街地へのアクセス道路の整備が今後の課題となる。
一方で、 観光PRのために、 高齢者を中心に文化案内人の育成を行っている。
これからの時代は、 高齢化を嘆くのではなく、
前向きに捉え、 いかにうまく活用していくことが重要だろう。
−−御茶屋跡周辺整備の今後の展開を
これまで、 点から線への関連づけで、 周辺にある西南の役の官軍墓地や、
鷹ノ原城跡までを散策できるように整備してきた。
今後は、 町民の方々にも気軽に利用していただくために、
御茶屋前広場を公園として整備する。 歴史ある建物をできるだけ自然の形で残すために、
芝張りや植樹程度にとどめる。 そのための調査を実施するが、
時期については学識経験者らと協議をしながら進めていく予定だ。
−−趣のあるまちづくりのための施策も行っているようだが
豊前街道を昔ながらのまちなみとして保存していくために、
4月1日から 「歴史的景観まちなみづくり条例」
を施行している。 改修に関して申請があれば、
審査後、 30万円を上限に助成をしていく。 まちづくりは、
これまでは行政が主体となって行ってきたがこれからは、
住民自身の参画が中心になってくる。
−−今後、 単町でいくための具体的な行革は
合併をしないと特例債が受けられないというデメリットもあるが、
基金の繰り入れや交付税でカバーしていく。
さらに企業誘致活動も強化し、
今後、 10年間で職員の削減にも取り組んでいく。
住民へのサービスが低下しないよう、
職員自身の意識改革も必要だ。
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