2023年春の褒章で黄綬褒章を受章
ARIAKE代表取締役 藤本祐二氏
仕事を通して社会に貢献
「驚きとともに感謝の気持ちで一杯だ」と喜びを口にするも「まだまだ道半ばであり、仕事を通して社会にもっと貢献を、という叱咤激励も含まれているのでは」と背筋を伸ばす。
有明測量開発社(現ARIAKE)を経営する義父に誘われ、測量業界に足を踏み入れる。勤めていた会計事務所を辞め、測量専門学校に1年間通って測量の基礎を身につけるとともに、義父からは営業のノウハウを学び、経営者としての基礎を築いていった。
義父の勧めもあり、熊本県測量設計業協会(現熊本県測量設計コンサルタンツ協会)の活動に参加する。苦楽をともにする仲間と出会う一方で、業界の位置づけの低さを肌で感じ「業界の発展なくして、会社の発展はない」との思いが強まっていく。
2009年から現在まで、協会長を務める。業界を取り巻く環境は、人材確保、DX推進、災害対応など、厳しさを増す。技術者の担い手不足に強い危機感を抱き「業界を挙げて新3K(給与・休暇・希望)を実現し、技術者の処遇改善を図らなければならない」と力を込める。
災害対応では、熊本広域大水害をはじめ、熊本地震、令和2年7月豪雨で陣頭指揮を執る。とりわけ熊本地震の際は、会員企業も被災する中で、早期復旧に向けた現地調査に従事した。「本当に大変だったが、協会が結束し、地域貢献を果たせた。今でも誇りに思う」と会員に感謝する。
協会の献身的な活動は、23年国土交通大臣表彰(建設事業関係功労者等)の優良団体受賞という形で評価された。「災害を契機に協会の位置づけや認知度も上がった。取り組んできた方向性が間違っていなかったと実感している」。若かりし頃に描いた思いが、花開いた瞬間だった。
趣味はゴルフ。ホールインワンを1回経験し、ベストスコアは78。熊本市の自宅に妻と愛犬と暮らす。昭和34年生まれの63歳。 |