2023年春の叙勲で旭日双光章を受章
工藤設備工業 代表取締役 工藤 光明氏
すべての組合員を幸せに
熊本県管工事業組合連合会の会長を3期5年務めたのをはじめ、現在も11年目となる熊本市管工事協同組合の理事長として、強力なリーダーシップを発揮し組合を牽引する。「受章できたのも周りの方々のご指導・ご支援のお陰。本当に感謝しています」と相好を崩す。
2016年の熊本地震では、水道施設にも甚大な被害が発生し、熊本市内全域が断水する事態に。「言葉を失った」という惨状の中、団体のトップとして不眠不休で応急復旧の陣頭指揮を取り、組合員や全国から駆け付けた水道工事の仲間とともに、半月後という驚異的なスピードで断水解除を実現させた。
折しも震災対応に奔走する中で受章した同年春の黄綬褒章。国土交通省での伝達式出席は叶わなかったが、蒲島郁夫県知事の配慮で、県庁で式典が執り行われた。「私のために時間を割いて頂き、大変恐縮しました」。
業界では人手不足の解消が喫緊の課題だ。「求人活動などを含め、我々も積極的ではなかった」と反省、5年程前から工業高校への技術指導や現場見学会、ガイダンスなどで管工事をアピール、一定の手応えを感じている。「地元に就職してもらうには、県外企業に比べ劣っている休日や給与など待遇面の改善も業界全体で切磋琢磨しながら取り組む必要がある」との認識を示す。
人材の確保・育成に向けては、職業訓練短期大学校の開校も視野に入れる。事業所で働きながら知識と技能を学び関連資格の取得等を支援するもので、「普通科など工業系以外の生徒を業界に呼び込む起爆剤になれば」と期待する。
今後の目標は「すべての組合員が幸せで、豊かになること」だと語る。「歴代の役員方や諸先輩が築き上げてこられた相互扶助の精神と伝統を受け継ぎながら、出来る限りの努力をしていく」。決意も新たに業界への恩返しを誓う。
山登りや旅行が趣味。「コロナ禍も落ち着いたので再開したい」。熊本市東区在住の71歳。 |