令和5年建設事業関係功労国土交通大臣表彰を受賞
菊池組 代表取締役 菊池 武氏
中小企業の強み生かす
2008年5月に熊本県建設業協会宇城支部の支部長に就任し、今年で16年目を迎えた。「支部長に打診された際、もっとふさわしい人が居るのではと考えていた。今回の表彰も同じだ。長年続けられているのは、協会員や家族のサポートがあってこそ」と控えめに話す姿に、温厚篤実な人柄が伺える。
「宇城支部の会員のため」。口癖のように出てくる言葉だ。長年に及ぶ在任期間は人望の表れ。その強力なリーダーシップのもと、熊本地震、令和2年7月豪雨と未曾有の災害を乗り越えてきた。特に7月豪雨では、おびただしい量の流木等が宇土半島に押し寄せ、支部の総力を挙げて撤去作業にあたった。
「炎天下の作業に加え、役所との調整、地元への対応など、かつてないほど過酷だった。無理を通して駆け付けてくれた会員には感謝しか無い」。
宇城支部支部長のほか、熊本県森林土木建設協会会長、全国森林土木建設業協会副会長など、多数の要職を務める。「人前に出るのは苦手だ」としながらも、責任感は人一倍。会合では率先して意見を述べる。「空いた時間があればインターネットや本から知識を吸収し、人と話す時に分からないことが無いよう心掛けている」と余念がない。
対外的な活動が多くなるにつれ、業界の課題に直面する機会も増えた。「人手不足は深刻。入職者が少ない上に、入っても続かないという話は日常的に聞く」と危機感を募らせる。
解決策の一つとして捉えているのが、中小企業ならではの強みを生かすこと。「従業員が少なければ、一人ひとりに目を向け、しっかりとフォローしてあげることができる」。
趣味は焼き物、天体観察、写真、車など幅広い。「わさもんだけん、新しいものが好き。長続きしないのも多いけどね」と表情を緩める。美里町在住、22日に古希を迎えた。 |