2022年秋の褒章で黄綬褒章を受章
村建設 代表取締役会長 村倫博氏
努力惜しまず新たな挑戦を
昨年の国土交通大臣賞に続いての受章となった。「オール上益城で災害対応した熊本地震での成果、25年余り務める建設業関係の交通安全団体長としての活動が評価されたのだろうか」と喜びを口にするも「諸先輩方の指導、会員の皆さんなど、多くの方の協力と支援のお陰だ」と謙遜する。
建設業一筋50年の中でも、2016年に発生した熊本地震が強く印象に残っている。当時は熊本県建設業協会上益城支部の副支部長として、24時間体制で被災状況などの情報を収集し、会員企業を被災内容に応じて振り分け、復旧作業の指示を出し続けた。
余震が続く危険な状況の中、緊急車輌の通行を確保するための道路啓開や、2次災害の危険性が高い河川への1万5000袋の大型土嚢設置など、作業は多岐に渡った。「自ら被災した会員が16社いたが、地域の復旧を最優先し、懸命に作業に取り組んでくれた」と感謝する。
上益城支部では16年から現在まで支部長を務め、18年からは協会本部の副会長を兼務。建設業を取り巻く環境は新3Kや建設DX、CCUSの導入など、目まぐるしく変化する。「対応することは大変だと思うが、新しいことに挑戦する努力は惜しまないでほしい」と後進にメッセージを送る。更に「若者が希望を持てる業界を実現してほしい」と訴える。
昭和46年、父とともに現在の村建設を起業する。寸暇を惜しまず働き、24歳の若さで代表を継ぐ。これまで以上に責任の重さを感じながら土木工事を中心にインフラ整備、農地の区画整理など、地域の発展に尽力した。現在、経営者として一線は退いたものの、業界への協力、後進への指導は惜しまない。「若いもんには仕事も大事だけど、遊ぶことも大事だぞ、と声を掛けている」と照れ臭そうに笑う。
趣味はゴルフ。プレー後に仲間と酌み交わす酒は格別で、多忙な日々を忘れさせてくれる。嘉島町在住、70歳。 |