2022年春の褒章で黄綬褒章を受章
清原商会 代表取締役 清原 健志氏
官民一体で技術者確保
「ご支援、ご協力を頂いた業界や官公庁の皆様に直接お会いして、お礼の言葉を伝えたかったのだが」。今月予定していた受章祝賀会は、コロナの感染拡大を考慮し中止を決断した。「この場を借りて改めて感謝申し上げるとともに、今後も業界への恩返しに尽力したい」と口元を引き締める。
熊本県管工事業組合連合会の副会長、熊本市管工事協同組合でも副理事長の要職を務める重鎮で、3年前の国土交通大臣表彰に続く栄誉だ。
創業者の父親が病気になったため、大学を中退し家業を継いで50年余り。業界の将来について強い危機感を抱く。「技術者不足が深刻で、特に若手が少ない。業界だけでなく、役所も同じ状況のようだ」。
6年前の熊本地震で断水した熊本市内の応急復旧活動を振り返り「このままでは、仮に10年後、20年後に再度被災した場合、あの時のような迅速な対応は、もうできないかもしれない」と危惧する。
若者の入職を促進し、技術を伝承していくためにも「労務単価を含めた賃金の引き上げと、週休二日を柱とした休暇制度の充実がカギになる」と、官民一体となった取り組みの必要性を説く。
環境問題にも関心が高い。住宅に水道管を引き込む時に行う給水管への穿孔工事で、排出水に混入する鉄くず等の異物を捕獲し除去する排水浄化装置を同業者と開発した。国土交通省のNETISにも登録されており、「環境への配慮は避けて通れない。法規制等で対策が強化される前に手を打ちたかった」。
最近、家の中からある作文が出てきたという。当時小学3年生だった清原少年が、将来の夢を綴ったもので「日本一の水道屋になりたい、と書いていました」と照れ臭そうに笑う。
趣味は登山。足腰を鍛えるため毎朝2時間のウォーキングを欠かさない。熊本市在住の68歳。 |