2019年秋の叙勲で旭日双光章を受賞
九機工業社長 梨子木 和秀氏
建設業のイメージアップ先導


 「人が生きている限り、道路は365日休まず働いている。大切なものだから、しっかり守っていきたい」。舗装専門業としての自信と誇りが詰まった言葉だ。
 1988年から現在に至るまで熊本県建設業協会の理事、副会長を務める。県道路舗装協会(県協会舗装部会)では、79年から理事、87年から副会長を担い、2012年からは会長職として舵を取る。40年以上にわたり県内建設業界を牽引する指南役だ。
 平成の初め、建設業は3Kの代表産業だった。「イメージアップが必要」と、県協会内に広報特別委員会の設置を進言。初代委員長として辣腕を振るう。新建設会館の建設では、現場の仮囲いをギャラリーに見立て、複数の高校の美術部に依頼した絵画を夜間照明付で展示した。一角にはミニ日本庭園を設けたり、県民を対象に懸賞付クイズを募集したりもした。これまで近寄り難かった現場のイメージを払拭してみせた。
 ほかにも、4週6休オリジナルカレンダーの作成や、作業員のユニフォームファッションショー、協会青年部の創設など次々と斬新な手を打つ。「当時、地場の建設業は宣伝しないのが当たり前で、PRが苦手。発想を変えたかった」と振り返る。人材確保や働き方改革が叫ばれる今、やっと時代が追いついた格好だ。
 舗装協会は今、熊本工業高校のSPH(スーパープロフェッショナルハイスクール)に協力するなど、若者に舗装の魅力を伝えている。インターンシップでは「最初、県外を希望していた生徒が、職業体験を通して県内も考えるようになった。土木でなく舗装業に就きたいと言ってくれた」と顔を綻ばせる。
 「自然との調和、大地に水を」が社のモットー。県内企業の自社施工が無かった屋外スポーツ施設の分野に進出、いち早く透水・排水性舗装やカラー舗装を扱った。透水性舗装で施工した県庁正門のプロムナードを「ルフィ像が設置され、ちょっとした観光スポットになっている」と喜ぶ。
 協会活動などで多忙な毎日。「いつか好きな場所にゆっくり旅をしたい」と話すが、当分は行けそうにない。70歳。
2020.1.13掲載

戻る

  All right reserved for west japan construction news Co.,Ltd    renewed on 2004/4/8 Y.アクセス昨日 T.アクセス本日