平成29年春の褒章で黄綬褒章を受章した
西田鉄工 坂口敏之氏
大事なのは努力すること


 「長年、こつこつと地道にやってきただけ。受章は非常に光栄で、身の引き締まる思い」。喜びを語る言葉に、実直な人柄が滲み出る。
 高校卒業後に就職した日立造船で1年間、高等技能研修校に入った。造船に関するいろんな研修を受けるうち、溶接に適性があることが分かった。それから45年間、溶接一筋。平成27年度には現代の名工にも選ばれている。
 西田鉄工に移ってからは、河川やダムの水門を手掛ける。船の一部分を造っていた前の仕事に比べ、今は自分で造って仕上げたという達成感があるという。「造船所で技術を身に付けたが、ここではモノを造る喜びがある。それがあったから長く続けてこられた」。
 4年ほど前からは若年層の教育にも力を注いでいる。県の職業能力開発協会に高度熟練工として登録し、年に数回、県内工業高校に溶接の指導に出向いている。溶接に興味を持ち、その出来栄えに一喜一憂する生徒の姿を見て、教える喜びも出てきた。技能とともに一人の先輩として「どのように仕事に取り組んできたか」も伝えている。
 モットーは努力すること=B「大事なのは目標に向かって努力することで、結果ではない」と言い切る。「努力すれば結果は後からついてくる」とも。
 これまでを振り返り「自分は恵まれていた」と話す。会社、職業、指導していただいた指導員や先輩方、同僚、ライバル。「すべてが宝だ」。
 趣味は魚釣り。休日は同僚と天草まで足を伸ばす。63歳。八代市在住。
2017.5.22掲載

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