平成28年国土交通大臣表彰(建設事業関係功労)を受賞した
益崎塗装店代表取締役 益崎洋一郎氏
技能で地域に恩返しを
車での移動は片道2時間を超える。熊本県塗装防水仕上業協同組合の副理事長として、理事会や三役会などに出席するため天草市役所近くの会社から熊本市内まで足繁く通う。「会議が終わりすぐに戻っても最低、半日は会社を離れる。その間の仕事を専務や従業員がフォローしてくれるお陰」と感慨深げだ。
父親が創業した会社で高校・大学時代から下地処理を手伝っていた。当時は社員の高い技術力に驚き、食い入るように見入っていたという。家業を継いだのは「親から無言の圧力を感じていたし、何不自由なく大学まで行かせて貰った感謝の意味合いも込めて」と笑みを浮かべる。
社訓は「技能報恩」。会社で塗装の技能を磨き、顧客を通して社会に恩返ししたいとの思いがある。先代からも「良い仕事をすれば、それが次の仕事に繋がる」と学んだ。最近では、塗装後の状態をパソコンでシミュレーションしてみせるなど「目に見える営業」にも力を入れる。
故郷に対する思いも人一倍強い。天草ほんどハイヤ祭りをPRする凛風会で大太鼓を演奏したり、天草空港の利用促進を図るイベントに携わるなど地域活性化に向けた活動も続ける。世界サンタクロース会議でデンマークを訪れた際、建物の屋根や壁などの外観色が統一された町並みに魅了された。「天草でも官民一体となって取り組めないか」と思案を巡らす。
オートバイが好きで、15年程前にはサイドカーを購入した。「若い頃、急遽断念した北海道へのツーリングは是非とも実現したい」。4人の子どもは社会人や大学生になって家を離れ、現在は妻・母親と3人暮らし。昭和34年生まれの57歳。 |