平成28年建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰を受けた
静岡塗装組代表取締役 木下顕氏
素晴らしい仲間に恵まれた
結婚を機に、奥さんの実家が営んでいた塗装業の世界に足を踏み入れた。当時は26歳、右も左もわからなかったが、現場をはじめ営業や経営などに関するノウハウを先代から学んだ。「業界の先輩方や後輩達からも、直系では無い自分の面倒をよく見てもらえた」と振り返り、今回の受賞も「素晴らしい仲間に恵まれたお陰」と何度も口にする。
平成24年度から熊本県塗装防水仕上業協同組合の理事長を務める。組合のブランド力を高めるとともに、組合員の技術力や経営基盤の底上げを図るため、研修会や講習会、情報の提供などに力を注ぐ。その一方で、課題にあげるのが、技能工を中心とした人材の確保。解決に向けたキーワードは「外国人技能実習生の活用、女性の入職促進、福利厚生施設の充実や給料・休日などの待遇改善」だと話す。同時に、他の専門工事業者ともスクラムを組み、建設産業全体のイメージアップを図る必要性も訴える。
笑顔で、明るく、楽しくを常に心掛ける。「会社や団体のトップ自身が楽しくなければ、社員や組合員も面白くないでしょう」と快活な笑顔を見せる。フットワークの軽さも、誰もが認めるところだ。熊本地震の際も、組合員や塗料メーカー等に協力を求め、絵本や小説など約6千冊を集め笑顔とともに避難所に届けた。
先日閉会したリオデジャネイロ五輪で、思うような成績が残せず涙する選手を見て自問自答した。「仕事が取れずに涙を流したことがあるか」。答えはもちろん無い。「結果が出ない時、自然と悔し涙がこぼれるぐらい一生懸命に努力しなければ」との思いを強くしたという。熊本市に奥さんと2人暮らし。昭和28年生まれの63歳。 |