平成27年度全技連マイスターに認定された
赤松建設 代表 赤松章氏
日本の木造技術≠ヘ世界一
「日本こそが、世界一の木造技術≠持っている国だ」と自負する。先人達が試行錯誤しながら生み出してきた日本特有の文化・技能を今、無くしつつあることに危機感を抱き、「私はその伝統を守るため、訓練校で後輩達を指導している」と熱く訴える。
建築大工として45年間、建築技術の知識および技術の研鑽に努め、平成15年からは上益城建設高等職業訓練校の講師として多くの職人を育ててきた。その功績が認められ、これまでに熊本県知事表彰、国土交通大臣表彰を受賞し、今年10月には、日本建築士会連合会長表彰も受賞した。
昭和38年に矢部高校に入学し、機械関係科の教師を目指していたが、父親から、建設会社の親方を紹介され、昭和42年に西田建設に大工見習いで入社した。「あまり興味がなかったが、やっていくうちに面白くなり、『奥が深い仕事だ』と、どんどんのめり込んでいった」。
昭和48年に宮田建設に大工職として入社し、木造建築工法をたたき込まれた。昭和55年に赤松建設を立ち上げたが再度、宮田建設に戻ってS造・RC造を10年間勉強し、また独立した。
思い出に残っている仕事は、下名連石小学校新築と明光寺の本堂・山門の屋根総取り替え工事。「下名連石小は設計事務所と仕口の納め方で意見が食い違い、最終的には私の案で設計変更したことが印象に残っている」と振り返る。また、明光寺は、そり屋根だったため、茅負と隅木の取り付けがぴったり合った時は感動したという。
プレカットの導入後、建築が変わり、伝統建築工法で家を造る現場が減ったと嘆く。「左官、建具、瓦なども同じ境遇だが、若い人が入校してくるうちは、伝統技術を次世代に伝えていくことが使命だ」とまだまだ意欲を燃やす。 |