国土交通省立野ダム工事事務所長に就任した
宮成秀一郎氏
建設業は地域の輪£Sう
仮排水路工事が今年度末に完了し、いよいよ立野ダム本体工事が見えてきた中での着任。「我々はいつでも着手できるよう準備を整えていく」と意気込む。
昭和63年から平成3年まで立野ダム工事事務所に勤務、21・22年度は菊池川河川事務所副所長を務めるなど熊本との関係は深い。「観光や農業、防災拠点など様々な面でバランスが取れている」と印象を語る。
前任の九州地方整備局水災害予報センター長の際、XバンドMPレーダと呼ばれる雨量観測装置を山鹿と宇城に設置。これにより、従来のレーダ(観測範囲1`メッシュ、配信周期5分)に比べて高頻度・高分解能(観測範囲250bメッシュ、配信周期1分)での観測が可能となった。
長崎県太田町山川河内地区では、江戸時代末期に土砂災害が発生し、多くの犠牲者を出した。以来、毎月14日にまんじゅう等を持ち回り、全戸に配る「念仏講まんじゅう」という風習が地域の輪を形成しているという。昭和57年の長崎豪雨災害では、同地区でも土石流が発生したものの、地域の結束力により、死傷者は出なかった。「地元建設業は、工事説明を兼ねた声かけや地元イベントの参加など、地域の輪の役割を果たしている」と評価。「業界の活躍はもっと周知されるべきだ」と憂う。
大分県豊後大野市(緒方町)の生まれ。両親が亡くなった後も実家は手放さず、田圃 6反を含めた家の管理を続けている。「自分の生まれた故郷は大切。土日に帰省する時は、大分市内の家族の元だけでなく実家にも立ち寄る」と郷土愛を覗かせる。昭和34年生まれ、56歳。 |