国土交通省熊本港湾・空港整備事務所長
 幸福辰己氏
機能を高める技術的な工夫を


写真 熊本県には縁(ゆかり)がある。20代の頃に、県から受託した水俣湾の公害防止事業に携わった。「明神町の現場で設計から施工まで取り組んだことが、土木技術者としての原点。誇りに思っている」。自分を育ててくれた土地を懐かしむ姿にものづくり≠愛する心の内が溢れ出る。
 インフラ整備は、新しく造ることからストックの時代へ。港湾・空港施設も例外ではない。熊本港湾・空港整備事務所では、八代港でマイナス14bの整備を促進しているものの、所管施設の大部分は高度経済成長期を中心に構築されてきた。このため既存ストックを適切に有効活用していくには、効率的な設計・施工・管理が重要なカギを握る。
 「機能を高めるための技術的な工夫が求められている。もちろんコスト縮減も必要だ。公共事業を進める上で無くては成らない施工業者、コンサルタントと連携を深めながら技術的な課題に取り組みたい。地域を支える建設業者との活動で、地域を元気にしたいと思っている」。
 入省以来、主に設計を担当する部署を渡り歩いてきた。特にこれまで 4回赴任した下関港湾空港技術調査事務所(旧運輸省第四港湾建設局下関調査設計事務所)で手腕を振るった。「基本設計をよくやった。その時々の設計を取り入れ、一番楽しい仕事だった」。プロジェクトの上流部は、技術屋冥利に尽きるポジション。常にベストを尽くす姿勢で成果を上げたという。
 プライベートで夢中になっているのは、好きな手料理を振る舞うこと。目下、評判がいいのはトマトパスタ。こちらも工夫しながら最高の味を求めている。ものづくりのプロに妥協はない。
 兵庫県出身だが、物心付いた時には広島県で育つ。昭和32年生まれ。北九州市の自宅に妻と愛犬を残し単身赴任中。
2013.05.20掲載

戻る

  All right reserved for west japan construction news Co.,Ltd    renewed on 2004/4/8 Y.アクセス昨日 T.アクセス本日