平成23年秋の褒章で黄綬褒章を受章した
 (株)石原電設代表取締役 石原健二氏
「幅広く活躍できる人材を育成」


写真 「ショーウィンドーの中でスポットライトに照らされた商品を見ると仕事へのやりがいを感じる」。昭和45年、ゆかりのない熊本の地で起業し、独自に市場を切り拓いた。商業施設の内装を中心とした電気工事を得意とし、熊本パルコなど九州内の有名店舗を照明で美しく演出し続けている。
 千葉県柏市出身。高校では工業化学が専攻だったが、友人と遊び半分で製作したテレビがきっかけで電気に興味を持った。柏市の家電店で修理業務を手掛けながら電気の知識を習得。商業施設の企画・施工などを展開する東京の企業と人脈をつくり、経営の基盤を築いた。
 起業後間もなくして、大洋デパート火災が発生した。死傷者を多数出した歴史的大惨事は全国の百貨店営業のあり方を変え、工事を受注していたデパートのオープンが一時延期に。当時は第一次オイルショック真っ只中で、資材調達の段取りなど、他の現場に影響が及んだ。
 「右も左も分からない土地でようやく顧客を掴んだ時期。失敗は許されない」と歯を食いしばった。ことわざをひねった天命を喜び 人事を尽くす≠ェ信念と言い「苦難も運命と前向きに捉え、一生懸命に難を乗り越えた」と自負する。
 熊本電気設備工業協同組合では、理事長職を19年間務め、人望も厚い。半世紀ほど前「気候が良いから」と安易な考えで熊本を永住の地に選んだ。が今は「育ててくれた熊本の地、そして力添えを頂いた組合に恩返しをしたい」。組合運営のビジョンを「電気分野で幅広く活躍できる人材育成」と定め、業界を牽引する。
 熊本市長嶺南で妻と愛犬のシーズーと暮らす。72才。
2011.11.17掲載

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