平成23年建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰を受賞した
 坂口建設(株)代表取締役社長 坂口秀樹氏
「数字を越える仕事≠提供」


写真 奇しくも創業者で父の龍雄氏が他界した時期と受賞が重なった。受賞の知らせは死の直前に届き、真っ先に父に報告。父は「うん、うん、うん」と大きく3回頷いた。「最期に親孝行が出来て良かった…」。
 「家業が建設業のため、自然とその道を決めた」。昭和47年に日本大学理工学部建築学科を卒業。卒論研究をきっかけに知り合った大手ゼネコンで1年間の武者修行をした後、坂口建設に入社。24才の若さで取締役になった。
 経営者としての手腕は入社直後に発揮した。当時は昭和元禄で建築業界も右肩上がり。会社は、業務提携していた大手住宅会社との間で、年間100棟以上の戸建住宅を手掛けていたが、多忙を極める社員の過重労働を疑問視。「ゆとりある環境があって会社はもっと発展する」と社長(父)を説得し、月1回の休日を週1回に、また、当時業界では珍しかった土曜日の半ドン制≠取り入れ、労働環境の改革に取り組んだ。
 平成2年に代表取締役に就任してからは、社内理念の再検討に着手。「工事は、規模や数量でなく内容で評価されるべき」との信念を持ち、数字を超える仕事を提供すること≠第一に掲げた。質の高い仕事をし、それに伴い受注高も増加。顧客との信頼関係が、同社を県内有数の建築企業へと育てあげた。
 10年ほど前、脳腫瘍を患い社会復帰を一度思い悩んだ経緯がある。その時、背中を押し、再起を励ましてくれたのが業界の仲間だった。「本来はライバルだが、嬉しかった。賞は皆さんが居てくれたからこそ頂けたもの。重さを感じながら、これからも頑張っていく」。
 昭和25年1月生まれ。61才。
2011.8.4掲載

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