平成23年春の叙勲(旭日双光章)を受章した
 三洲建設(株)取締役会長 吉田孝夫氏
「協調と融和≠フ精神で」


 平成18年の国土交通大臣表彰に続き、旭日双光章を受章した。「お祝いの言葉をたくさん頂き、受章の重みを痛感している。これも建設業界のおかげ」と周囲の人たちに感謝する。
 32歳の時、兄が他界したことで急きょ会社を引く継ぐことに。右も左も分からない手探りの状態だったが、それでも『企業は人なり』を経営理念に、人間を育てることを一番に考えた。
 「人の一生を背負うわけだから、いかに育てるかが企業の使命」。従業員を一人前にし、一人ひとりに家を持たせることを目標に掲げた。長年の努力が実り、全社員が頑張れる環境を築き上げた。「目標は、なんとか達成できたのでは」と胸を撫で下ろす。
 昭和63年から11期21年間の長期にわたって、寥F本県建設業協会宇城支部の支部長を務めるとともに、平成17年からは協会長の大役も歴任。協調と融和≠フある支部・協会運営を目指した。厳しい状況が続く業界にあってこそ、この精神が大事だと訴える。
 「業界はまとまっていかないとダメ。自分たちのエゴだけで競争をやっていても利益が出ない。そのような業界には、若者もなかなか入ってこない」。
 県が実施した大幅な格付見直しについては、建設産業を生き残らせようとする県の強い覚悟の表れと見ている。「それに応える業界の覚悟が今、問われている。生き残っていく術(すべ)を、自分たちで考えなければ」。業界自身による建設産業の健全化への努力を強く望んでいる。
 ぶれないこと≠ェ信条。「自分で決めて行動してきたから、失敗しても悔いはなかった」。趣味はゴルフと魚釣り。一番の楽しみは「孫の相手」と目を細める。宇城市三角町在住。70歳。
2011.7.4掲載

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