平成22年度職業能力開発関係厚生労働大臣賞を受賞した
(有)肥後産興 代表取締役 深川健助氏
「常に努力する技術者へ」


 「技術とは一生を掛けて磨くもの。資格取得は通過点にすぎない。常に努力する精神力と技をあわせ持って一人前の技術者となる」という信念のもと、永年に亘り建設技術者を養成してきた。好々爺然と微笑みながら次世代育成への情熱を語る。
 昭和31年に行政職として熊本県に入庁し、建設技術事務所に配属。無類の機械好きだったこともあり、様々な機種の運転・整備免許を取得し、指導者としての基礎を築く。県内で技能検定が始まると建設機械整備職種の検定員として活躍。現在もなお、首席技能検定委員を務めながら、技術者の確保に力を尽くしている。
 全寮制の熊本県産業開発青年隊訓練所に配属されてからは建設業を目指す若者を直接教育した。もちろん建設機械の授業ばかりでなく、生徒の生活指導も。同所のスケジュールは過酷で、朝6時の起床・点呼から始まり、遠距離集団駆け足訓練、実習と続き、夕食後も息つく暇なく夜9時まで講義…。「20歳前後の生徒に訓練所の規律ある生活を教えることは本当に大変だった」。
 訓練課長を務めていた平成7年当時には「これからは女性技術者の育成も必要」と初めて女子生徒を受け入れた。退職後は廃棄物等の運搬業の会社を起業。「教え子に『人の倍努力しろ』『人間性を高めろ』と教育してきた。自分も体が動く限りは」と生涯現役を貫く覚悟でいる。好きな酒の席を用意する卒業生達に「おまえ達も頑張れ」と発破を掛ける。
 昭和12年生まれ。玉名郡長洲町で妻・娘と暮らす。
2010.11.29掲載

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