平成22年度職業能力開発関係厚生労働大臣賞を受賞した
(資)永田工務所 代表社員 永田克孝氏
「どうにかして若い人たちを塗装業に!」
24歳の時、先代の跡を継ぐと同時に職業訓練運営会理事に。浮き沈みの激しい業種の中にあって、常に信頼される仕事をやり遂げることで業界をリードしてきた。最近は若者の塗装業への入職者がほとんどなく、訓練所での活躍の場が少なくなっている。
「どうにかして若い人たちを塗装業に引っ張り込みたい。県の塗装組合でも中学校に出向いていって、ものづくりの楽しさを伝えてはいるんだが…。興味を持たせることが第一」。熊本県技能祭でも教室を開くなど、PR活動にも努めている。ただ若者の人材不足は塗装業ばかりではない。「建設業全般の問題として考えなければならない」と目の前の課題に喘(あえ)ぐ。
構造物を建てたり、維持管理したりする中で、塗装は工程で言えば一番最後。それだけに美しい仕上がりが求められる難しい側面を持つ。建物に化粧と保護を施すことで、その存在感を示す一方、ライフサイクルコストまで左右する。「生かすも、殺すも最終的な判断なので、施主(発注者)には、経験に基づいたアドバイスをしている」。
近年、光触媒や遮熱塗料といった環境に配慮した塗料製品が各メーカーから出揃っている。「うちでは遮熱塗料を2工場でやったぐらいだが、これから伸びる業務。官庁、病院、学校、牛舎、もちろん工場も。既に設計に盛り込んでいるところもあり、きちんと対応しなければならない」。ややコスト高にはなるものの、その効果は絶大だという。
仕事一筋できたせいか楽しみといっても特にない。唯一リラックスできるのは、仕事を終えた後の一杯だ。「やっぱり日本酒。呑めば話しも弾むし、何よりも活力の源になる」。それでも昨年、肺を患ってからはめっきり量が減った。「最近は至って健康」とうれしそうに笑いながら「秘訣は酒」ときっぱり。
昭和15年生まれ、69歳。八代市在住。 |