「第46回技能五輪全国大会」の左官職種で金賞に輝いた
(株)緒方建設工業  荒木 新二氏
「支えてくれた人たちに感謝したい」


 過去2回出場し、前回は銅賞。しかし今大会で、念願の日本一≠フ称号をつかみ取った。
 「自分一人の力ではなく、今まで支えてくれた人、応援してくれた人たちのおかげ。恩返しができて嬉しい」と笑顔で喜びをかみしめる。
 前大会では、気候など環境の違いに戸惑い、その場の対応がうまくできなかった。今年8月に一級左官技能士の資格を取ったことで、寸法の取り方の甘さなど改めて気がついたという。
 この課題を克服するために、約2カ月前から仕事を休み、練習に明け暮れた。今大会にかける思いは人一倍で、食事が喉を通らなかったこともあった。逃げ出したくなるような不安との戦い…。ミスをした前大会の作業をビデオで何度も確認し、最終調整を行った。
 競技は、2日間(制限時間11時間)の日程で、モールディングや石膏の置引き、壁仕上げなどを競う。「コンマ以下の間隔のズレも減点の対象となる。一つ一つの作業を丁寧にこなしていった」と振り返る。
 中学を卒業後に左官職人になると決心し、なるからには日本一に≠ニいう思いでやってきた。金賞に輝いた瞬間、会場に応援に来ていた同じ左官職人の父親は、滅多に見せない涙を流して喜んだ。
 休日は、左官の材料を使ってオリジナルの絵を描き、感性を磨いている。また、山に土を採取しに行き、自然素材の壁材を研究するなど、日々研鑽を忘れない。「一生、左官の勉強を続け、みんなに喜ばれるような仕事をしていきたい」と夢を語る。昭和61年生まれ。22歳。
2008.11.17掲載

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